(元日本銀行職員)
1976年の秋の公演を第1回とし、以後継続して約80回もの観劇会を提供してきた。毎回、座席の確保、点字・墨字併せての案内状送付、電話での観劇日の確認、当日の受付・案内、また上演後は視覚障害者を舞台に上がらせ、大道具・小道具を直接触らせる。時には主演俳優に引き合わせるサービスに及ぶ。以上のような活動により、演劇観賞を楽しむことができた視覚障害者(同伴者を含む)は、延べ1万8,000余名に及んでいる。高度な演劇を観賞することにより、視覚障害者に精神の知的・情操的豊かさを増すことに貢献している。また演劇関係者に対し、視覚障害者が健常者と同じように(あるいはそれ以上に)豊かで鋭い観賞力を持っていることを強く認識させ、それを通して一般社会の視覚障害者への理解を深めることに大きく貢献している。