ヘレンケラー・サリバン賞
2025.09.29
「ヘレンケラー・サリバン賞」は、視覚障害者の福祉・教育・文化・スポーツなど各分野において、視覚障害者を支援している「晴眼者」にお贈りする賞です。これは、「視覚障害者は、何らかの形で健常者からのサポートを受けて生活している。その支援に視覚障害者の立場から感謝の意を表したい」との趣旨で、当協会が1993年(平成5年)に創設しました。なお、同賞の名称は、ヘレン・ケラー女史と同女史を生涯支え続けたアン・サリバン女史の両氏の名に由来します。
選考は、視覚障害者によって推薦された候補者の中から、当協会が委嘱する視覚障害者の選考委員によって、検討・決定しています。第1回の社会福祉法人全国盲ろう者協会理事長の小島純郎千葉大教授に始まり、毎年1回、選ばれた個人・団体の献身的な行為と精神に対し、感謝を込めてお贈りしています。
第33回(2025年度)ヘレンケラー・サリバン賞決定
本年度の「ヘレンケラー・サリバン賞」(当協会主催)は、一般社団法人College Women’s Association of Japan(CWAJ、カレッジ・ウイメンズ・アソシエーション・オブ・ジャパン)に決定しました(写真はハイディ・ズコウスキー・スウィートナム会長)。CWAJは非営利のボランティア団体で、女性を対象にした奨学金のほか、大学院進学や海外留学を希望する男女の視覚障害学生を対象にした奨学金の給付などにより、国内外で活躍する人材の育成に貢献してきました。また、教育プログラムVolunteers for Visually Impaired (VVI、視覚障害者との交流の会)の活動を通じて、視覚障害のある大学生の学習環境を支え、視覚障害者に国際交流や英語教育の機会を提供してきました。VVIは今年、1975年の結成から50年の節目を迎えました。
第33回を迎えた本賞は、「視覚障害者は、何らかの形で外部からサポートを受けて生活している。それに対して視覚障害者の立場から感謝の意を表したい」との趣旨で、当協会が委嘱した視覚障害の選考委員によって選ばれます。
贈賞式は、ズコウスキー会長らを招いて10月10日(金)に、当協会3階ホールで開催を予定しています。本賞(賞状)と、副賞としてヘレン・ケラー女史直筆のサインを刻印したクリスタルトロフィーが贈られます。
CWAJとは
1949 年に創立された一般社団法人で、奨学金、毎年開催する現代版画展、児童養護施設の子どもたちのための英語支援の会、外国人留学生との交流の会など、さまざまなプログラムを通じて教育・文化交流の推進に努めてきた。現在の会員は25 カ国の約400 人で全員が女性。VVIは委員会の一つで、現在は日本視覚障害者職能開発センターで毎週2回ボランティアによる英会話指導を行っているほか、年3 回ほどの「英会話の集い」を開催したり、筑波大学附属視覚支援特別学校と協力して同校生徒の「英検」受験準備を手伝ったりするなどの活動に取り組んでいる。