ヘレン・ケラー記念音楽コンクール

2023.05.01

 ヘレン・ケラー記念音楽コンクールは、1949年(昭和24年)12月13日、全国盲学生音楽コンクールとして、東京・有楽町の毎日ホールで始まりました。当初は東日本及び西日本ヘレン・ケラー財団を統括する日本ヘレン・ケラー協会などが主催し、盲学校音楽教育の実態を知ってもらい音楽家を志す盲学生の登竜門にするのが目的でした。
 第6回(1954年)から東京ヘレン・ケラー協会の単独主催となり、「全日本盲学生音楽コンクール」と改称、第51回(2001年)から普通校で学ぶ弱視児まで参加枠を拡大し、現在の「ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」と名称を改めました。
 この間、第6回に小学4年でデビューしたバイオリンの和波たかよし(わなみ・たかよし)さん、第17回に同じ小学4年で絶賛されたチェンバロなど鍵盤楽器演奏家の武久源造(たけひさ・げんぞう)さん、2009年のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行(つじい・のぶゆき)さんら、国際的に活躍する音楽家を輩出しています。また、このコンクールで得た自信を、その後の道に生かして 音楽とは別な分野で優れた業績を挙げた人も少なくありません。

第73回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール開催のお知らせ

今年も「第73回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」を2023年11月18日(土)午前10時から、東京都文京区の「トッパンホール」で開催します。参加をご希望のかたは下記参加要項をご覧ください。
第73回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール参加要項

第72回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール

(写真)ヘレン・ケラー賞を受賞した坊田惣祐さんヘレン・ケラー賞を受賞した坊田惣祐さん

 第72回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール(東京へレン・ケラー協会主催、参天製薬株式会社 名古屋宗次ホール協賛、トッパンホール会場協力、毎日新聞社など後援)が11月19日(土)、東京都文京区のトッパンホールで開催されました。

 全国から34人が参加。器楽7部門、声楽2部門の9部門(重唱・合唱の部はコロナ禍で中止)で日ごろの練習の成果を披露しました。
審査は、ピアニストで国立音楽大学特任教授の花岡千春先生、桐朋学園大学特任教授の梅津時比古先生、声楽家の淡野弓子先生、邦楽ジャーナル編集長の田中隆文先生、ヴァイオリニストの和波たかよし先生にお願いしました。

 最も感銘を与えた演奏に贈るヘレン・ケラー賞は、弦楽器の部で1位を受賞した坊田惣祐さんが受賞。坊田さんには、記念としてクリスタルトロフィーと賞状が贈られました。

 今年の特別演奏は、桐朋学園大学、大学院を経て、ウィーン国立音楽大学post graduate課程を修了され、第86回日本音楽コンクール第3位。第1回Shigeru Kawai国際ピアノコンクール第3位。2022年第11回スウェーデン国際デュオコンクール第1位など多数受賞されている原嶋唯さんにご出演いただき、ショパン「ピアノソナタ 第2番 「葬送」 変ロ短調 Op.35」を演奏いただきました。

 入賞された方は次の通りです。(敬称略、数字は学年。該当無しの順位もあります)

【ヘレン・ケラー賞】
弦楽器の部 坊田惣祐(広島県立広島中央特別支援・小6)

【ピアノ1部】
1位=野本彩華(筑波大附属視覚特別支援・小3)
3位=岩越愛奈(岐阜県立岐阜盲・小3)

【ピアノ2部】
1位=新倉将希(神奈川県立平塚盲・小5)
3位=荒田百里(筑波大附属視覚特別支援・小6)
奨励賞=安倍成一郎(筑波大附属視覚特別支援・小6)

【ピアノ3部】
奨励賞=田中雄大(茨城県立盲・中2)、井上奏人(龍ヶ崎市立中根台中・3年)

【ピアノ4部】
2位=東玲那(横浜市立盲特別支援・高1)
3位=古田土明弥(桐朋女子高等学校音楽科・3年)

【創作編曲の部】
1位=古田土明弥(創作演奏 桐朋女子高等学校音楽科・3年)

【弦楽器の部】
1位=坊田惣祐(クラシックギター演奏 広島県立広島中央特別支援・小6)
2位=長野礼奈(ヴァイオリン演奏 筑波大附属視覚特別支援・高2)

【その他の楽器の部】
奨励賞=山下蒼空(箏演奏 筑波大附属視覚特別支援・高3)、田中美羽(ファゴット演奏 静岡県立浜松視覚特別支援・高1)

【独唱1部】
1位=新倉将希(神奈川県立平塚盲・小5)
2位=松井知花(東京都立久我山青光学園・小6)

【独唱2部】
1位=神山翔(栃木県立盲・高1)
3位=町田天音(筑波大附属視覚特別支援・高3)
奨励賞=川本一輝(筑波大附属視覚特別支援・高3)

TOP