街で出会ったら
道路で
立ち止まって左右を見回したり、杖で地面を探り不安そうな表情の人、同じ場所を行ったり来たりしている人を見かけたら声をかけてください。方向がわからなくなっているのかもしれません。でも、いきなり腕や杖をつかまれるとびっくりします。緊急の場合以外は、「何かお手伝いしましょうか?」と話しかけてください。
プラットホームで
プラットホームは、とても危険な場所です。ホームからの転落事故は後を絶ちません。乗車口への誘導は大変助かります。
バスやタクシー乗り場の列で
列の最後尾を教えてください。割り込むつもりはないのですが、どこに並べばよいかわからないのです。
電車・バスの車内で
空いている席があったら教えてください。わからないので立っている場合が多いものです。
道をたずねられたとき
「あちら」「そちら」と指差されてもわかりません。「まっすぐ前へ壁沿いに10メートル位歩き、最初の角を右へ曲がって3軒目です」などと具体的に教えてください。
ガイドするとき
ガイドをしてくださるかたへお願い
どんな方法がよいか相談してくだい。目の不自由な人の希望に合わせていただきたいのです。
歩くとき
あなたの腕か肩につかまらせてください。杖や服をひっぱられると危険ですし、悲しい気分になります。後ろから押されるのも怖いものです。せまい場所では「狭くなります」などと教えてください。腕を少し後ろにまわして、あなたの1歩後ろを歩けるようにしてください。歩く速度は、相手のかたに合わせてください。
階段で
階段の手前で止まり、「登ります」または「降ります」と声をかけてください。手すりがある場合は、つかまりたいかどうかたずねてください。踊り場や最後の段では1度止まって教えてください。不規則な階段は、1段ごとに教えてください。
エスカレーターで
エスカレーターの手前で止まり、上りか下りかを説明してからベルトに手を触れさせてください。ベルトなしに中央に乗るのは不安なものです。
乗り物の乗り降り
バスの乗り降りには、手すりに手を触れさせ、ステップの段数を教えてください。電車に乗る際は、手すりや戸袋に手を触れさせてください。電車とホームとの間が広くあいている場合は、「30センチくらいあいています」などと具体的に説明してください。段差がある場合も「20センチくらい低くなっています。」などと注意してください。
車の乗り降りには、ドアや屋根の部分に手を触れさせてください。押し込んだり両手を持って引きずり出そうとしたりしないでください。また降りる場所が安全かどうか気を配ってください。
椅子に腰掛けるとき
座る向きを説明してから、椅子の背もたれやシートの部分に手を触れさせていただければ自分で座ります。両肩を押さえて掛けさせようとしないでください。
食事などの時
食器や料理の位置と内容を教えてください。時計の文字盤を利用して、手前を6時、右を3時、左を9時、正面を12時と見立て、「3時のところにコーヒー、6時にケーキ、ケーキ皿の左にフォーク、右にナイフがあります」などと説明してくださると分かりやすいのです。ナイフがどちら向きかも教えてください。手渡してくださる場合は、柄の部分を持たせ、もう一方の手に刃の背の部分を触れさせてくださると向きや長さがわかります。また手を導いて食器に触れさせたり、熱い容器などは一言注意していただけると助かります。料理にソースや醤油をかけたり、コーヒーにクリームを入れたりするのは難しいので手伝ってください。鍋物やブッフェスタイルも苦手です。何を食べたいかを確認してから手を貸してください。
お金を渡すとき
お金を渡すとき、お札の上に小銭を乗せないでください。落としてしまうと探すのが難しいのです。できれば金種別に渡していただけるとわかり易いです。
その他
お友達になったら
あなたの方から声をかけてください。「こんにちは。○○です」と名前を言ってください。声だけでは、あなたがわからない場合もあるのです。
話題を選ぶ必要はありません。テレビ、映画、ファッション、風景など避ける必要はありません。こだわりなく何でも話してください。
自転車に乗られる方へお願い
音もなく近づく自転車は避けようがないのです。あなたの方からよけてください。白杖を見たら少しスピードを落としていただけるとうれしいのですが…。また、点字ブロックの上に自転車を止めないでください。道路を塞ぐたくさんの自転車は、目の不自由な人たちにとって悩みの種なのです。
車を運転する方へお願い
目の不自由な人が、道路を横断しているとき、少しだけ待ってください。前後を猛スピードで走り抜けられると、とても怖い思いをします。路上駐車も歩行を妨げる原因になります。開いたままのドアにぶつかってしまうこともあります。
盲導犬について
盲導犬(アイメイト)は、目の不自由な人の歩行を助けるために特別に訓練された犬です。ペットではありませんので、飼い主の許可なく撫でたり食物を与えたりしないでください。また歩行中、盲導犬の気が散ると危険ですので、口笛を吹いて呼びかけるなどの行動も控えてください。盲導犬は道を知っているわけではなく、使用者の指示に従って誘導しているので、迷って困っているようでしたら使用者に声をかけてください。ハーネスや首輪に触れるのはやめましょう。
最後に
もしあなたが援助を申し出て断られても、気を悪くしないでください。たまたま援助を必要としていない場合もあるかもしれません。1度断られたからといって「もう声をかけるのはよそう」とは思わないでください。多くの目の不自由な人にとって、一人歩きは容易なものではありません。あなたの「何かお手伝いすることがありますか」という一言に救われる場合が多いのです。そして皆さんの優しい一言が、何より目の不自由な人達の心を暖かく包むのです。