ヘレン・ケラー記念音楽コンクール

2023.11.20

ヘレン・ケラー記念音楽コンクールは、1949年(昭和24年)12月13日、全国盲学生音楽コンクールとして、東京・有楽町の毎日ホールで始まりました。当初は東日本及び西日本ヘレン・ケラー財団を統括する日本ヘレン・ケラー協会などが主催し、盲学校音楽教育の実態を知ってもらい音楽家を志す盲学生の登竜門にするのが目的でした。
第6回(1954年)から東京ヘレン・ケラー協会の単独主催となり、「全日本盲学生音楽コンクール」と改称、第51回(2001年)から普通校で学ぶ弱視児まで参加枠を拡大し、現在の「ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」と名称を改めました。
この間、第6回に小学4年でデビューしたバイオリンの和波たかよし(わなみ・たかよし)さん、第17回に同じ小学4年で絶賛されたチェンバロなど鍵盤楽器演奏家の武久源造(たけひさ・げんぞう)さん、2009年のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行(つじい・のぶゆき)さんら、国際的に活躍する音楽家を輩出しています。また、このコンクールで得た自信を、その後の道に生かして 音楽とは別な分野で優れた業績を挙げた人も少なくありません。

第73回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール

(写真)ヘレン・ケラー賞を受賞した坊田惣祐さん

今年から再開した重唱・合

 「第73回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」(東京へレン・ケラー協会主催、参天製薬株式会社・名古屋宗次ホール協賛、トッパンホール会場協力、毎日新聞社など後援)が18日、東京都文京区のトッパンホールで開催されました。
 全国から32人が参加。器楽7部門、声楽3部門の10部門で日ごろの練習の成果を披露しました。審査は、ピアニストで国立音楽大学特任教授の花岡千春先生、桐朋学園大学特命教授の梅津時比古先生、声楽家の淡野弓子先生、ヴァイオリニストの和波たかよし先生にお願いしました。
最も感銘を与えた演奏に贈られるヘレン・ケラー賞は6年ぶりに該当者がありませんでした。

 今年の特別演奏は、桐朋学園大学ソリストディプロマコース所属。国際ソロヴァイオリンコンクール第2位(最高位)、オーストリアのベートーヴェン国際ヴァイオリンコンクール第1位など国際コンクールで多数受賞されている栗原壱成さんにご出演いただき、バッハ「無伴奏バイオリンソナタ1番より第1・4楽章」など5曲を演奏いただきました。

 入賞された方は次の通りです。(敬称略、数字は学年。該当無しの順位もあります)

【ピアノ1部】
奨励賞=渡邉華音(千葉県立千葉盲・小1)、川越みのり(筑波大附視覚特別支援・小3)

【ピアノ2部】
2位=岩越愛奈(岐阜県立岐阜盲・小4)、野本彩華(筑波大附視覚特別支援・小4)
奨励賞=加藤詩温(筑波大附視覚特別支援・小4)、片山優茉(川崎市立高津小・5年)

【ピアノ3部】
2位=平河祐李菜(福岡県立柳河特別支援・中2)
奨励賞=長縄美波(筑波大附視覚特別支援・中3)

【ピアノ4部】
2位=東 玲那(横浜市立盲特別支援・高2)
奨励賞=髙宮悠樹(横浜訓盲学院・専1)

【弦楽器の部】
2位=新倉将希(クラシックギター演奏、神奈川県立平塚盲・小6)
3位=長野礼奈(ヴァイオリン演奏、筑波大附視覚特別支援・高3)

【その他の楽器の部】
3位=和田龍真(箏演奏、岡山県立岡山盲・小6)

【創作編曲の部】
該当者なし

【独唱1部】
奨励賞=重永大武(練馬区立下石神井小・5年)、松井知花(東京都立久我山青光学園・中1)

【独唱2部】
奨励賞=石井葵(福島県立視覚支援・高3)、宇木素裕(筑波大附視覚特別支援・専1)

【重唱・合唱の部】
奨励賞=志村夏歩 牧嶋柚月(筑波大附視覚特別支援・小5)

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