「見えない人々の行く手を照らすために」
あはき師の養成から福祉的就労サービスへ
ヘレン・ケラー学院は、2025(令和7)年3月、あん摩マサージ指圧師、はり師、きゅう師(あはき師)の国家資格取得を目指す視覚障害者のための養成施設・専修学校の歴史に幕を下ろしました。
身体障害者福祉法が施行された1950(昭和25)年に設立され、75年間で延べ1,984人の修了・卒業生を輩出しました。
ヘレン・ケラー学院を運営してきた社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会は、その名が表すように、ヘレン・ケラー女史(1880~1968年)と深いつながりがあります。
世界の偉人伝に登場するヘレン・ケラー女史は、生涯を通して3度、日本を訪れました。2度目は敗戦から復興へ向かう1948(昭和23)年でした。約2カ月にわたって全国各地に足を運び、こう呼びかけました。
「日本は今、新しい朝を迎えようとしています。あなたのランプの灯をもう少し高くかかげてください。見えない人々の行く手を照らすために。そうすれば、目の不自由な人々にも新しい道が拓(ひら)けるのです」
人間愛にあふれた講演は各地で感動を呼び、身体障害者福祉法の制定を求める大きなうねりとなると同時に、ヘレン・ケラー学院を中心とした当法人の設立につながりました。
時代が移り、医療の発達や職業選択の拡大は大変喜ばしいことですが、少子超高齢社会を背景に、三療を目指す視覚障害者は激減するに至り、あはき師養成という大きな役割を終えることを決断しました。
代わって、あはき師の資格を持っていても一般就労が難しい視覚障害者をメインとした就労継続支援B型事業所「ヘレン・ケラー治療院 鍼灸・あん摩マッサージ指圧」を、2022(令和4)年4月に開設しました。
ヘレン・ケラー女史の精神を受け継ぎ、新しい道を拓いていきます。
東京ヘレン・ケラー協会 理事長 奥村 博史