東京ヘレン・ケラー協会会報『青い鳥(L'Oiseau bleu)』 第39号 2022年2月3日発行 発行人:奥村博史 編集人:塚本泉 製作:広報委員会 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会(Established in 1950) 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-20 本部、ヘレン・ケラー学院 電話 03(3200)0525 FAX 03(3200)0608 点字図書館 電話 03(3200)0987 FAX 03(3200)0982 点字出版所、盲人用具センター、海外盲人事業交流事務局 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-4 電話 03(3200)1310 FAX 03(3200)2582 ●第71回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール    2年ぶり開催 ヘレン・ケラー賞に矢部菜央さん         第71回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール(東京へレン・ケラー協会主催、参天製薬株式会社協賛、トッパンホール会場協力、毎日新聞社など後援)が昨年11月13日、東京都文京区のトッパンホールで開催された。  2年ぶりの開催となったコンクールに、全国から32人が参加。器楽6部門、声楽2部門の8部門(重唱・合唱の部はコロナ禍で中止)で日ごろの練習の成果を披露した。 審査は、ピアニストで国立音楽大学特任教授の花岡千春先生、桐朋学園大学学長の梅津時比古先生、声楽家の淡野弓子先生、邦楽ジャーナル編集長の田中隆文先生、ヴァイオリニストの和波たかよし先生にお願いした。  最も感銘を与えた演奏に贈るヘレン・ケラー賞は、ピアノ3部で1位を受賞した矢部菜央さんが獲得し、記念としてクリスタルトロフィーと賞状が贈られた。  今年の特別演奏は、2020年第89回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)、レウカディア賞、黒柳賞、鷲見賞を受賞。2009年から2020年までに8つの国際コンクールなどに優勝し、現在は、宗次コ二特待奨学生として桐朋学園大学大学院で研さんを積みながら、国際音楽祭に毎年出演し、欧州・ロシア・アジアを中心に国内外数々のオーケストラと共演を重ねている北川千紗さんに出演いただき、ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 OP12-3」を演奏していただいた。    ●第71回ヘレン・ケラー記念音楽コンクールに入賞された方々は次の通り。 (敬称略、数字は学年、該当なしの順位もあります) 【ヘレン・ケラー賞】 ピアノ3部 矢部菜央(筑波大附属視覚特別支援・中1) 【ピアノ1部】 奨励賞=志村夏歩(筑波大附属視覚特別支援・ 小3) 【ピアノ2部】 1位=平河祐李菜(福岡県立柳河特別支援・ 小6) 2位=荒田百里(筑波大附属視覚特別支援・小5) 3位=大元壮(筑波大附属視覚特別支援・小6) 【ピアノ3部】 1位=矢部菜央(筑波大附属視覚特別支援・中1) 【ピアノ4部】 1位=石田乃彩(筑波大附属視覚特別支援・高1)、松下誠治(筑波大附属視覚特別支援・高1) 3位=山田端希(筑波大附属視覚特別支援・高2) 【弦楽器の部】 1位=遠山作弥(ヴァイオリン演奏 筑波大附属視覚特別支援・高3) 2位=長野礼奈(ヴァイオリン演奏 筑波大附属視覚特別支援・高1) 【その他の楽器の部】 1位=渡邉和明(箏演奏 筑波大附属視覚特別支 援・中1) 2位=山下蒼空(箏演奏 筑波大附属視 覚特別支援・高2) 【独唱1部】 2位=松井知花(東京都立久我山青光学園・小5) 【独唱2部】 1位=今井大空(京都府立盲・高3)、車谷萌花(愛媛県立松山盲・高3) 3位=町田天音(筑波大附属視覚特別支援・高2) 奨励賞=宇木素裕(ヘレン・ケラー学院 高等課程・3年) ●2021年度ヘレンケラー・サリバン賞は元NHKディレクターの川野楠己(かわの くすみ)さん  視覚障害者への支援に功績のあった人を表彰する「第29回(2021年度)ヘレンケラー・サリバン賞」(東京ヘレン・ケラー協会主催)は、元NHKチーフディレクターの川野楠己(カワノ・クスミ)さんに決定し、昨年10月8日(金)に贈賞式が行われた。式は昨今のコロナ情勢と川野さんが91歳と高齢であることも鑑み、初めてZoomによるオンライン形式で行われた。本賞の賞状と副賞のヘレン・ケラー女史の直筆サインを刻印したクリスタルトロフィーが贈られ、後日、川野さんに届けられた。  川野さんはNHKラジオ第2放送でオンエアされていた「盲人の時間」(現・視覚障害ナビ・ラジオ)に1966年から25年間ディレクターとして携わり、視覚障害者向けの専門番組として、当時、情報の入手が今よりも限られていた視覚障害者への情報発信を続けた。さらに、「最後の琵琶盲僧」と言われた永田法順さん(故人)の琵琶演奏・仏教説法や、小林ハルさん(故人)ら盲目の女性旅芸人、瞽女(ゴゼ)による民謡などの継承に関心を持って取材を続け、その足跡をまとめた。視覚障害者が伝承しながらも失われつつあった、こうした伝統文化の記録・保存に尽力したことなどが評価され、今回の受賞に至った。  今回の受賞に際し、川野さんは「民謡や伝統音楽は琵琶盲僧や瞽女によって広く伝えられた面があり、彼らの活動がなければ日本の民謡などはその土地止まりで途絶えていたものもあったはずです。彼らの功績を埋没させないよう記録するなかでこの賞を受賞できたのは大変ありがたく思います」と感謝の言葉を述べた。  なお、川野さんは当協会発行の「点字ジャーナル」の今年1月号から「祈りと琵琶と 琵琶盲僧の世界」と題し、全6回の予定で、琵琶盲僧についての紹介記事を連載している。 ●新事業所開設に向け、工事完成  ヘレン・ケラー学院の昨年の夏休み中に、本館(学院校舎)の一部を改築した。工事は併せて二つ。一つは、東京都のバリアフリー条例に適合した就労継続支援B型事業所「ヘレン・ケラー治療院 鍼灸・あん摩マッサージ指圧」を1階に開設するための内装工事。  来年度から、立て看板のある本館西側から向かって左手の引き戸が学院の玄関、右手の引き戸をリニューアルした自動ドアが事業所の玄関となり、建物内では、学院と事業所は防火壁で区切られる。 ●本館の防火戸も完成  もう一つは、3階建ての階段部分を「竪穴区画」にすることにより、防火面で建築基準法の既存不適格建築物を解消する工事。各階に防火戸が設置された。  この防火戸は、火災発生後、煙感知機に煙が50秒間連続で感知されると自動的に閉まる仕組みになっている。9月1日(水)の防災の日に合わせて、3施設合同で避難訓練を行った。実際に、防火戸の開閉訓練をして、閉まった時の脱出扉の位置や操作を学生や教職員が確認した。 ●危険防止の工事に区切り  工費は、内装が約1,490万円。竪穴区画は418万円で(公財)森村豊明会から300万円の助成を受けた。また、新事業に関しては、(公財)洲崎福祉財団に全国で唯一の継続助成として採択され、今年度から3年間の助成が受けられることになっている。初年度の助成額は310万円。同財団からは、全国の視覚障害者支援団体にとって新しい事業のモデル、取り組みのヒントとなることが期待されている。   1967年竣工の本館は、改修が必要な場所が多いが、限られた財源の中、危険防止の観点からは、これで一区切りついたことになる。 ●第5回就職支援セミナー開催  ヘレン・ケラー学院は、昨年7月26日(月)に第5回就職支援セミナーを開催した。講師は、井上喜子男(2009年度修了)、藤井和幸(2011年度卒業)、柴原里美(2010年度修了)、山口朋世(2012年度卒業)の4先生。  コロナ禍の影響で、実技・実習は講義を中心とした授業を行う機会が増え、臨床実習は外来患者の受け入れ中止が続き、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間は法人職員が患者になることさえかなわず、多くの患者を施術する機会がなくなった。そこで今回は、「技術習得へのモチベーションを維持しながら学業に励んでほしい」という願いを込め、卒業生の講話だけではなく、先輩方の施術を体験する時間を盛り込んだ。 参加者は聴講生を含めて12人。三つのブースに講師を配置し、各ブースを4人ずつに分かれた学生が巡回した。  各講師は「施術に対して心がけていること」として、丁寧に心を込めて施術する▽患者に対して性別を意識しない▽施術に向き合う際は、自身がいつも平常心でいる▽体調管理はもちろん、オン・オフを切り替えて、メリハリをつける大切さ――などを挙げていた。 1ブースでの施術時間は15分以内ということもあり、施術を受けながらいろいろ質問する学生、施術している先輩の手に触れて動きを確認する学生、自分の体で動きを再現する学生たちの姿も見られ、終始熱心に取り組んでいた。 終了後、学生からは「さまざまな現場での業務内容や先輩方の施術を体験したことで、改めて基礎の大切さを感じた」などの声が聞こえた。   ●4年ぶりの総選挙 日程前 倒しでてんてこ舞い  岸田文雄首相が昨年10月4日(月)の就任記者会見で、衆院選を大方の予想より1週間前倒しする日程(19日公示、31日投開票)で実施することを表明した。   国政選挙で点字出版施設などが協力し合う(社)日本盲人福祉委員会視覚障害者選挙情報支援プロジェクト(選挙P)の下での点字版・音声版の「選挙のお知らせ」(選挙公報)などを製作する当協会点字出版所もその影響を受けて大忙しとなった。   当協会が担当したのは、選挙Pでの点字版「最高裁国民審査のお知らせ」(東京など18都県)、「小選挙区・比例代表の『選挙のお知らせ』」(東京など延べ9都県)計約2万2000部、音声版「国民審査」「比例代表」(いずれも東京)のテープ・CDの計約4670本・枚のコピー作業。この選挙Pの作業以外にも、点字印刷物の選挙啓発パンフや候補者氏名一覧などの製作も加わり、各課の職員は公示前から連日、多種多様な作業に追われた。特に10月18〜26日は「怒濤の9日間」となり、終盤の土日は職員、アルバイトを含めほぼ総動員態勢で業務に取り組んだ。 ●同行援護従業者養成 第1回ステップアップ研修  当協会では同行援護従業者(ガイドヘルパー)養成研修を実施し、さらに「フォローアップ研修」として有資格・現任ガイドヘルパー向け研修も行ってきた。ただ、従来の「フォローアップ研修(6.5時間)」は、受講する現役ガイドさんたちに「勉強になる」と好評ながら、受講料(15,000円)が高額なのでなかなか受けられない、という声もあった。そこで開催方法や内容を見直すことで受講料を5,000円に大幅ダウンし、何度も受けられるような形に作り直して「ステップアップ研修(4時間)」という名称でスタートすることにした。コロナ禍の影響で3度の延期を余儀なくされ、ようやく昨年10月9日(土)に第1回を開催できた。  1コマ目は東京視覚障害者生活支援センター・長岡雄一講師による講義「ガイドヘルパーが知っておきたい制度・サービス・用具+α」、2コマ目は神奈川ライトハウス・福喜多恭子講師による演習「ガイドヘルパーのリスク管理 〜コロナ禍における情報提供〜」。どちらも現場ですぐに役に立つ内容ばかり。講義中はマイクを回して受講者全員が発言し、最後の質疑応答タイムも盛り上がった。   ●図書館ボランティア懇親会2年続けて中止  毎年11月初旬に行ってきた点字図書館のボランティア懇親会が、2021年度もコロナ禍のため中止となった。20年度に続き2度目の中止だけに、コロナ禍の終息がいっそう待たれる。   ボランティア懇親会は2019年度で45回を数えた。日々の図書館の活動に欠かせないボランティアへの感謝の気持ちを伝える場である本行事は、図書館の一大イベントだ。近年は講演会が多かったが、以前はミニコンサートなども企画し、普段ゆっくり顔を合わせることのないボランティア同士の交流の場ともなっていた。  ボランティア活動を5年継続してくださった方への表彰は、点訳ボランティア3人が該当するが、贈呈の場であった懇親会が中止になったため後日郵送となった。 ●NAWBにマスクと手指消毒剤を提供  当協会は2020年12月にネパール現地調査をする計画をたて、日本盲人福祉委員会(日盲委)から6万円の助成金をいただいた。しかしコロナ禍で渡航できず2021年12月に延期したが、これも中止することになった。そこで事業変更して、ネパール盲人福祉協会(NAWB)に6万円を送金して、職員のためのフェイスマスクと手指消毒剤の購入費にあててもらうことにした。  昨年11月26日(金)、NAWBのパワン・ギミレ常務理事、ジョティK.C.理事、スニータ・タパ理事により、学校教育10年課程修了試験(SEE)、同12年課程修了試験、および大学での試験に優秀な成績で合格した視覚障害学生を表彰するための式典が、カトマンズのNAWB本部で開催された。   この表彰式に続いて、参加した30人以上の視覚障害学生それぞれにSuper life使い捨てフェイスマスク1箱(50枚)とKN95立体保護フェイスマスク(1枚)、それにSRケア手指消毒剤(500 ml)1本が贈呈された。また、NAWBの職員にも同様にマスクと手指消毒剤を配布し、残りの在庫は、近い将来、他のニーズのある人たちにも同様に配布する計画である。  本事業は、NAWB職員のために企画したが、NAWBが視覚障害学生にも自主的に配布したので、当協会はこれを前向きに評価することにした。 ●教科書シーズンが一段落  2020年10月頃から始まった文部科学省著作点字教科書中学部「歴史」の点訳が昨年8月2日に校了した。歴史教科書は前期5冊、後期5冊のスケジュールで、ほぼ1年かけて点訳した。前期は図の多さに参ったが、後期は1冊のページ量の多さに困惑した。特に第7巻は初校前の入力段階で300ページを超える分量になってしまったので、この巻は空白行をなるべく少なくするため、読みづらさを損なわない程度に詰めるレイアウトとした。それでも結果的には294ページにもなり、前回を上回るボリュームとなった。   ともあれ19年11月に小学部の算数からスタートし、道徳、技術、家庭、そして歴史と続いた教科書ラッシュがこれでようやく一段落した。コロナ禍の中、二転三転、四苦八苦だった教科書制作だった。あと2年もすれば次回の教科書作成が始まる。その時までにコロナ禍が収まっていることを願う。 ●点字プリンターESA300Pro修理  昨年12月23日(木)、点字出版所製版課の点字プリンターESA300Proの簡易オーバーホールが行われた。このESA300Proは1ページ5秒という高速でプリントアウトができるほか、紙を裏返しての両面印刷もできるため、人気の高かったプリンターだが、生産が既に終了し、修理も部品調達が困難で、年度内の依頼をもっての修理打ち切りが通告されていた。時々、不具合を起こしていたため、後継機に買い換えるか、などを検討したが、 「損耗が激しい部品のみを交換し、あまり劣化が見られない部品はそのまま利用する」という簡易オーバーホール案が採用された。修理は1時間程度で終了し、点が出ない不具合は解消され、薄かったり紙に穴が開いたりとムラがあった修理前よりもくっきりと点が出るようになった。今回の修理である程度の延命はできたと思われるが、どの程度でまた不具合が出るかはわからないので、後継機に関しては考えておく必要がある。 ●全国視覚障害者情報提供施設協会新任管理者研修会に参加  全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)の2021年度新任管理者研修会が、8月27日(金)にオンライン(Zoom)で開催された。内容は、竹下亘氏(全視情協理事長)による「視覚障害者情報提供事業の歩みと法制度」、正井和子氏(全視情協事務局長)による「全視情協について」、平井利依子氏(全視情協サービス委員会著作権プロジェクト委員)による「視覚障害者情報提供事業と著作権法、郵便法」だった。  竹下氏の講義では、点字出版や点字図書館の黎明期や、現在のサピエにつながるネットワークシステムの発展、録音図書の歴史などを、関係する法制度とともに学んだ。今後は「情報共有社会」への実現に向けた取り組みが必要とのことだった。 正井氏の講義では、館間貸出などの相互協力は、全国各地の施設職員の自発的な働きによって作り上げられてきたもので、より良いサービスを提供するためには、情報や課題を共有できるような顔見知りの関係が大切で、そのために大会や研修会を積極的に利用してほしいとの呼びかけがあった。  平井氏の講義は、著作権法や郵便法の経緯を理解した上で、法制度を読み解き、実際の事例に照らし合わせながら検討する内容。このような制度があることが当たり前ではなく、日々の業務の中で疑問に思うことがあれば根拠となる法律や制度に照らし合わせて進めることが大切だという話が印象的だった。  今回の研修では、点字図書館や関係機関が今日に至るまでの歴史や成り立ちから、日々の業務に直結する内容まで、幅広く学ぶことができ、現在利用しているさまざまな制度は、決して当たり前ではないということを再認識する機会となった。利用者へ最大限のサービスを提供するためには、制度を正しく知り、利用することが必要不可欠だと心に刻みながら日々の業務に取り組みたい。 ●NTT東京福祉文化事業団  「ゆいの会」から寄付  主に視覚障害者のための新聞リーディングサービスに取り組み、昨年12月28日に会の活動を終了し、37年の歴史に幕を閉じた「NTT東京福祉文化事業団『ゆいの会』」(土肥ひとみ会長、会員55人)から、合計101万円が東京ヘレン・ケラー協会に寄付された。  同会は旧電電公社時代の1984年12月に発足し、翌85年1月からサービスを開始。4月に発足したNTTが活動場所の提供など運営に協力してきた。会員は交換手や番号案内を経験した「声のプロ」が大半だが、朗読に興味がある営業担当者や保健師らも加わった。  平日に数人が交代で常駐し、利用者からの電話に応対。新聞7紙を用意し、利用者の要望に沿った新聞記事を読む。利用者は視覚障害者がほとんどで、電話の通話料のみを負担。新聞全ページの代読を希望する人、競馬欄の成績表や将棋欄の指し手まで読んでもらう愛好家も。また、「小さい文字が読みにくい」と手紙などをファクスや郵便で送ってくる高齢者らも利用し、多様なニーズに応えてきた。最近はパソコンの音声ソフトも発達しているが、常連客を中心に根強い人気があり1日平均十数件の利用があった。  しかし、会員は平均72歳と高齢の方が多く、昨年からのコロナ禍で活動が断続的になった。さらに、会が活動するビルの建て替え計画も持ち上がり、会の活動を終えることにしたという。会員の方々は、今後も地域や学校で、読み聞かせや電話マナー講習の講師など、それぞれに声のボラン ティア活動を続けるという。 ●助成事業報告 社会福祉法人 新宿区社会福祉協議会 備品整備・施設整備 (株)日本財託 一、事業名 自動体外式除細動器(AED)の購入 一、総事業費 302,500円 一、助成額  200,000円 一、完了日  令和3年9月3日 ●編集後記   昨年7月1日付で東京ヘレン・ケラー協会の業務執行理事・点字出版所長に就任し、併せて広報委員長も務めることになりました。どうぞよろしくお願いします。  この2年、日本列島、いえ、世界中が新型コロナウイルスに翻弄されてきました。私も就任間もない昨年7月12日、東京都が4回目の緊急事態宣言という事態に突入してしまいました。そうして職員一同、改めて感染予防対策に神経を使った夏でした。開催の是非が論議にもなった東京オリンピック・パラリンピックも終わり、秋風の吹き出した10月1日にようやく同宣言が解除された途端、衆院選の動きが急展開し、点字出版所も大わらわとなりました。  秋から年末にかけて感染者が減ってコロナもようやく収束してきたかと思いきや、年明けから感染力の強いオミクロン株による感染が急拡大し、今も私たちの生活や心情に大きく影響しています。  この間、当協会が関わる行事や会議なども中止やオンライン開催が多く、不完全燃焼の状態が続いてきました。それだけに、職員がそれぞれの題材で執筆する「青い鳥」の原稿も、「コロナ禍の収束(終息)を願う」という結び方が目立ってしまいました。何とか今の「第6波」で終わってほしいものです。  ところで、協会が新事業として取り組む就労継続支援B型事業所の開設に向けた準備も着々と進んでいます。1974年の点字図書館開設以来の新拠点施設として期待されています。(塚本泉) ●広報委員会 委員長:塚本泉(業務執行理事・点字出版所長) 委員:福山博(点字出版所製版課) 委員:大久保美智子(ヘレン・ケラー学院) 委員:戸塚辰永(点字出版所編集課) 委員:佐久間朋(点字出版所製版課) 委員:和泉枝里(点字図書館) --------- “視覚障害者と共に” 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会 ホームページもご覧ください。 https://www.thka.jp ----------