****************************************************************************** LIGHT OF LOVE 愛の光通信 Overseas Program for the Blind- Plans and Reports No.66 2026.7 夏号・Summer 東京ヘレン・ケラー協会 海外盲人交流事業事務局 ****************************************************************************** *各みだしの前の行に「++」の記号がありますので、検索機能などでみだしを探す時にご活用ください。 ++ 統合教育校紹介 アマルシン・モデル高校(Amarsingh Model Secondary School) ネパールにおける統合教育と質の高い教育のパイオニア ネパール第2の都市ポカラのアマルシン・チョークに位置するアマルシン・モデル高校は、統合教育と質の高い教育分野における国内有数の教育機関として知られています。  その起源は第二次世界大戦後にさかのぼり、1957年3月26日、「退役軍人委員会職業訓練高等学校(Soldier's Board Vocational Training High School)」として設立されました。この学校は、大英帝国軍に従軍したネパール人の退役軍人に職業訓練を提供するため、戦後復興基金を用いて創設されました。ネパール自体は第二次世界大戦に直接参戦していませんが、長年にわたるネパールと英国の関係を通じて、約20万人のグルカ兵が連合軍に参加しました。  当初、この学校は、帰還兵が民間生活に必要な実践的技能を身につけることを目的とした10年制の職業教育課程を提供していました。しかし、ネパールの教育環境が変化するにつれて、一般学術教育への需要が高まりました。その結果、1966年9月14日、同校は正式にネパール政府へ移管され、「アマルシン高校(10年制)」と改称されました。そして、職業訓練に加えて総合的な学術教育を提供する一般中等学校へと転換されました。  年月を経る中で、アマルシン高校(10年制)は、より幅広い学生層と教育ニーズに応えるため、教育内容と施設を拡充していきました。1981年には、視覚障害学生に統合教育を提供するための「ブラインド・セクション」を設立するという画期的な取り組みを行いました。この取り組みにより、同校は、視覚障害学生と晴眼学生を同じ学習環境で統合して教育を行う、ネパール初期の学校の一つとなり、教育における平等性とアクセシビリティの推進に貢献しました。 (写真・視覚障害生徒のパソコン授業)  1985 年にはさらに教育内容を多様化し、授業を英語で行う「イングリッシュ・セクション」を開設しました。この部門は、国際的なコミュニケーション能力や高等教育への進学機会に対応できる学生を育成することを目的としていました。  教育水準向上への取り組みを継続する中で、1999年には高等中等教育(11・12年生)へと拡大し、理科、商業、教育、人文科学などの専門コースを開設したアマルシン高校(12年制)となりました。これにより、生徒たちは中等教育修了後、将来の職業を見据えた学習を進めることが可能となりました。  同校の継続的な卓越性と包摂性への取り組みは、多くの表彰によって評価されています。2004年には「モデル高校」として認定され、2006年には「全国最優秀学校賞」を受賞しました。また、2005 年、2007年、2008年には「地域最優秀コミュニティ・ハイスクール」に選ばれています。これらの栄誉は、ネパールの教育発展および地域社会への顕著な貢献を示しています。  現在、アマルシン・モデル高校には、幼稚園から12年生まで約2,629人の学生が在籍しています。そのうち60人は視覚障害学生であり、50人は学校内の寄宿舎で生活しています。この寄宿舎は、彼らのニーズに応じた支援的な環境を提供しています。同校は近代的な教育施設も充実しており、10 年課程修了時に実施される重要試験である全国中等教育修了試験(SEE)において90%の合格率を維持するなど、高い学力水準を支え続けています。 ++ 点字教科書発行実績 小学校2年生用点字教科書 私のネパール語2年 配布学校・施設数 56 配布部数計 142 私の英語2年 配布学校・施設数 56 配布部数計 142 私の数学2年 (自己学習教材) 配布学校・施設数 56 配布部数計 142 私の数学2年 ネパール語版 配布学校・施設数 56 配布部数計 142 私の数学2年 英語版 配布学校・施設数56 配布部数計 142 私たちのサンスクリット語2年 配布学校・施設数 ― 配布部数計 ― ボート語〔チベット系民族語〕(※)2年 配布学校・施設数 ― 配布部数計 ― ※:ネパール政府は、少数民族の言語と文化の保護を目的に、母語教育を推進しています。 ++ 2026年度奨学生一覧 安達禮雄育英基金:2,511,900.00ルピー(2026年5月30日現在) 以下、aA奨学生の氏名、性、障害、年齢、学年、学校名(学校所在地)、成績の順に記す 1 アジャヤ・クマール・ラム 男 全盲 16歳 9学年 パシュパティ高校(シラハ郡) 合格 8年生の修了試験に合格したが、成績証明書はまだ届いていない 2 プラクリティ・B. K. 女 全盲 9歳 3学年 プルワンチャル盲学校(スンサリ郡)「優」 3 サンディプ・カティワダ 男 全盲 14歳 6学年 ラボラトリー高校(カトマンズ郡)「優」 4 サハナ・ジミ 女 全盲 11歳 3学年 プルワンチャル盲学校(スンサリ郡)「優」 5 アニシャ・ポクレル 女 全盲 18歳 10学年 シッダールタ記念高校(カピルバストゥ郡) 「可」 6 アーユシュ・チョーダリ 男 全盲 13歳 3学年 アダーシャ・サウラ・ユバック高校(ラリトプル郡) 留年 7 ミナ・ブージェル 女 全盲 29歳 修士課程 トリブバン大学(TU)プリティビ・ナラヤン校(カスキ郡) 修了 学士課程を2nd Division(45.86%)の成績で修了した 8 ディリサラ・ダマラ 女 弱視 22歳 大学3年 トリブバン大学(TU)シャヒード・アダーシャ校(カトマンズ郡) 進級 健康上の問題のため試験を受けることができなかったが、国立トリブバン大学学士課程では、前年度の科目を残したまま上級学年に在籍することができる制度があるので進級した。 9 シータ・クマリ・チョーダリ 女 全盲 30歳 大学3年 トリブバン大学(TU)ラグナート多目的校(カイラリ郡) 進級 結婚したため試験を受けられなかったが、国立トリブバン大学学士課程では、前年度の科目を残したまま上級学年に在籍することができる制度があるので進級した。 10 ハスタ・バハドゥル・カドカ 男 全盲 24歳 大学3年 トリブバン大学(TU)サノティミ校(バクタプル郡)合格  正雄育英基金:2,427,900.00ルピー(2026年5月30日現在) 以下、aA奨学生の氏名、性、障害、年齢、学年、学校名(学校所在地)、成績の順に記す 1 ロヒット・ボムジャン 男 全盲 17歳 5学年 サンジワニ高校(カブレ郡)「良」 2 ガガン・シン・グルン 男 全盲 17歳 6学年 アマル・シン高校(カスキ郡)「良」 3 アクリティ・ダハル 女 全盲 13歳 4学年 アマル・シン高校(カスキ郡) 「良」 4 シャーム・タクール 男 全盲 16歳 9学年 パシュパティ高校(シラハ郡) 合格 8年生の修了試験に合格したが、成績証明書はまだ届いていない 5 アビナム・タミ 男 全盲 15歳 7学年 カリンチョク高校(ドルカ郡) 「良」 6 スリシュティ・タマン 女 全盲 15歳 6学年 カリンチョク高校(ドルカ郡) 「良」 7 サパナ・ウパディヤ 女 全盲 12歳 4学年 バイラブ高校(ジュムラ郡) 「良」 順子女子育英基金: 2,562,900.00ルピー(2026年5月30日現在) 以下、aA奨学生の氏名、性、障害、年齢、学年、学校名(学校所在地)、成績の順に記す 1 パルワティ・チョーダリ 女 弱視 16歳 8学年 ジャンタ高校(バラ郡) 「良」 2 サムジャナ・チョーダリ 女 全盲 14歳 4学年 ドゥマルワナ高校(バラ郡) 「優」 3 カリシュマ・カトリ 女 弱視 11歳 7学年 プルワンチャル盲学校(スンサリ郡) 「可」 4 カルナ・カトリ 女 弱視 18歳 9学年 ジャナタ高校(スンサリ郡) 合格 8年生の修了試験に合格したが、成績証明書はまだ届いていない 5 クリシュナ・ライ 女 全盲 13歳 3学年 サンジワニ高校(カブレ郡) 「良」 6 ウシャ・ライ 女 全盲 20歳 12学年 サンジワニ高校(カブレ郡) 「良」 7 サンジタ・ムグラティ 女 全盲 16歳 2学年 アダーシャ高校(バクタプール郡) 「可」 8 シャルミラ・バム 女 全盲 18歳 10学年 バルマンディール高校(フムラ郡) 「‐」 SEE試験(第10学年修了全国統一試験)の結果発表待ち 9 ギータ・カミ 女 全盲 14歳 7学年 カラシルタ小学校(フムラ郡) 「良」 10 サルミラ・スナル 女 全盲 14歳 6学年 バルマンディール高校(フムラ郡) 「良」 11 プリヤ・マハト 女 全盲 15歳 8学年 ラグナート高校(カイラリ郡) 合格 8年生の修了試験に合格したが、成績証明書はまだ届いていない 12 ニキタ・タルー 女 全盲 11歳 4学年 カルナリ高校(カイラリ郡) 「良」 13 サムジャナ・ラワット 女 全盲 12歳 4学年 バイラブ高校(ジュムラ郡) 「良」 14 サンパダ・ゴータム 女 全盲 11歳 4学年 アマルシン高校(カスキ郡) 「良」 ※現在のネパールでは、第1〜9学年の修了評価は主として学校または地方自治体レベルで実施されています。一方、第10学年修了時のSEE(Secondary Education Examination)は全国統一試験として実施されています。また、第11〜12学年の修了試験については制度変更を経てきましたが、現在はNational Examination Board(NEB)による全国レベルの試験制度となっています。 なお、SEEの前身であるSLC(School Leaving Certificate)も全国統一試験でした。 ++ 今日のネパール グランピング in ポカラ  ネパールの首都カトマンズは埃っぽくて空気が悪く、騒々しいから早く退散したいという方でも、ネパール第2の都市ポカラ(Pokhara)は風光明媚で自然が美しいまったくの別世界で腰を落ち着けること請け合いです。とくにキャンプ生活をしながら大自然を謳歌するトレッキングが世界中の観光客に大人気です。  ただキャンプ生活は、なにかと不便なことも事実です。そこで最近は、テント設営や食事の準備などの煩わしさやトイレやシャワーの不便さから解放され、大自然の中でホテル並みに快適で贅沢なアウトドア体験を楽しめる新しいキャンプスタイル「グランピング」が脚光を浴びています。手ぶら感覚でアウトドアを楽しむグランピング(Glamping)とは、「グラマラス(glamorous:魅力的・豪華な)」と「キャンピング(camping)」を掛け合わせた造語です。  ポカラのレイクサイドにある「カラシュ・パーカゼ&テント・イン(Kalash Parkaze & Tent Inn)」は、若手起業家サノジ・パハリ氏(Sanoj Pahari)が経営する宿泊施設です。  ツインルーム1泊30米ドルで、キャンプのスリルとホテルの快適さと贅沢さを兼ね備えたグランピング体験を提供しています。 Kalash Parkaze & Tent Inn, Lakeside, Pokhara TEL: +977 9856083136, 9856083137 Address: Street-15, Lakeside, Pokhara, Nepal https://www.kalashparkaze.com/ ++ ネパールの甘い生活 ジェリ(Jeri)  南アジアから中東、北アフリカにかけて一般的なスイーツです。ただ名前は様々でインドでは「ジャレビ」と呼びます。  ジェリは、小麦粉に水を混ぜて、持ち上げれば垂れてくるくらいに緩い生地を、プレッツェルないしは円環状になるように熱した油に落として揚げ、さらに砂糖のシロップに漬けて作るお菓子です。ネパールではとても身近なお菓子で、軽食や間食としてよく食べられるので、ネパールの茶屋などには、冷めても美味しいのでしばしば作り置かれています。 ++ 寄附のお願い  ネパールにおける視覚障害者支援、とくに教育の充実をはかるために寄附をお願い致します。  寄附金のご送金は[郵便振替:00150-5-91688]をご利用ください。 ++ 寄附金に対する減免税措置  東京ヘレン・ケラー協会は、所得税法施行令第217条第1項第5号に掲げる社会福祉法人です。当協会に対するご寄附は、所得税法第78条第2項第3号及び租税特別措置法第41条の18の3、法人税法第37条第1項及び第4項の規定が適用され、税法上の特典が受けられます。 ****************************************************************** 発行:社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会 海外盲人交流事業事務局 〒169-0072 東京都新宿区大久保3−14−4 TEL:03-3200-1310 FAX:03-3200-2582 https://www.thka.jp/ E-mail:kaigai@thka.jp  ******************************************************************