点字図書館だより「あい」 No.154 2023年10月 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会点字図書館 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-20 TEL 050-3540-8281 FAX 03-3200-0982 E-mail toshokan@thka.jp ホームページ http://www.thka.jp/ 開館時間 9:00〜17:00/休館日 土日祝日 -------------------------------------------------- 目次 ●臨時休館のお知らせ ●話題の本 ― 追悼 森村誠一 ●話題の本 ― 映画原作 ●ポシェット  ○寄贈資料についてのお知らせ ●点字・録音図書追加目録 No.204 2023年8月・9月  ○【点字図書】 11タイトル  ○【デイジー図書】 18タイトル -------------------------------------------------- ●臨時休館のお知らせ  10月10日(火)・11日(水)は、職員研修のため休館とさせていただきます。ご不便をお掛けいたしますが、どうぞご理解・ご協力願います。 ●話題の本 ― 追悼 森村誠一  「腐蝕の構造」  北アルプス上空で、原子力科学者・雨村の搭乗した旅客機が墜落した。乗客の生存は絶望的だったが、なぜか雨村の遺体は見つからない。やがて政治家と企業の利益追求のための恐ろしい罠が明らかになる。日本推理作家協会賞受賞作。  「人間の証明」  西條八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。日米合同捜査が展開され、棟居刑事は被害者の過去を遡るが、やがて自らの過去の因縁をも手繰り寄せてくる―。人間の業を描く不朽の名作。  「街」  かつて人気歌手だった蓼科由里が、新宿中央公園で殺害された。牛尾刑事は、彼女のネックチェーンが別件の殺人被害者の物と知り驚愕する。さらに浮上した容疑者らは、次々に不審な死を遂げる。  「悪道」  将軍綱吉の異変に気づいた伊賀忍者の末裔が柳沢吉保の放つ刺客と闘い北へ。強大な敵の喉元に迫る不屈の一寸の虫たちの死闘の行方は―。吉川英治文学賞受賞作。 ●話題の本 ― 映画原作  「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」 青柳碧人 著  森の中のお菓子の家。走り抜けるカボチャの馬車。お城で眠り続けるお姫さま。次から次へと起きる事件を赤ずきんがスッキリ解決。世界の童話をミステリのテーマで読み解く作品集。  「アナログ」 ビートたけし 著    全てがデジタル化する世界で悟とみゆきが交わした、たったひとつの不器用な約束。素性も連絡先も知らないまま、なぜか強烈に惹かれあう2人の「アナログ」な関係が始まる。  「おまえの罪を自白しろ」 真保裕一 著  総理がらみの疑惑を糾弾されている代議士・宇田。その最中、3歳の孫娘が誘拐された。犯人の要求は記者会見での「罪の告白」。保身のための駆け引きを模索する官邸と戦う宇田一族。「家族の戦い」が始まる。  「勁草」 黒川博行 著  オレオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業「名簿屋」の高城に雇われている橋岡。賭場で借金を作った橋岡は高城に金の融通を迫る。一方、大阪府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出した。 ●ポシェット  ○寄贈資料についてのお知らせ  次のような資料が届いています。ご希望の方は、当館へお申し込みください。ただし、保管期間は2023年12月末までとなります。 【貸し出し】  「TOKYO強靭化プロジェクト 〜『100年先も安心』を目指して」 東京都福祉局 点字版(全2巻)、テープ版(全2巻)、デイジー版  「東京都防災ガイドブック」 東京都福祉局 点字版、テープ版、デイジー版  「ふれあい らしんばん 第92号」 内閣府政府広報室 点字版  「明日への声 Vol.92」 内閣府政府広報室 一般CD版  「月刊みんぱく 2023年8月・9月号」 国立民族学博物館 デイジー版  「私たちの税金 令和5年度版」 国税庁広報広聴室 点字版、デイジー版 ------------------- ●点字・録音図書追加目録 No.204 2023年8月・9月  ※書名のまえの数字は、この目録での図書ナンバーです。貸し出しのお申し込みの際に、目録の号数とあわせてご利用ください。  ※図書ナンバーの先頭には、#を付けています。  ※タイトルごとに、書名、副書名、シリーズ名、著者名、巻数(収録時間)、原本発行者、原本発行年、製作者名、内容紹介の順に記載しています。自館製作図書は、製作者名を省略しています。  ○【点字図書】 11タイトル 医学(3タイトル)  #1 脳の闇  中野信子 著 4冊 新潮社 2023年  集団の中で、人は常に承認欲求と無縁ではいられない。ともすれば無意識の情動に流され、あいまいで不安な状態を嫌う脳の仕組み。自身の人生と脳科学の知見を通して、現代社会の病理と私たち人間の脳に備わる深い闇を解き明かす。  #2 骨は知っている 〜声なき死者の物語  スー・ブラック 著 宮崎真紀 訳 7冊 亜紀書房 2022年  DNA鑑定も利かないとき、「骨」の分析は最後の砦となる。解剖学・法人類学の世界的権威が、人体の不思議とそれを支える骨に秘められた多様性を大胆に解き明かす。生々しい犯罪捜査の実録譚も収録した迫真のドキュメント。  #3 「気づき」のがん患者学 〜サバイバーに学ぶ治療と人生の選び方  古川雅子 著 4冊 NHK出版 2022年(点工房 製作)  がん患者にとってよい治療と人生の選択肢とは何か。がん患者100人超を取材し、最新治療を取り入れる際の考え方、医師からのアドバイス、仕事も人生も諦めない方法など、貴重な手がかりを伝える。 歴史・地理(1タイトル)  #4 テムズとともに 〜英国の二年間  徳仁親王 著 4冊 紀伊國屋書店 2023年  1983年から約2年間を過ごされたオックスフォード大学での日常生活や研究生活、音楽活動、ご学友との交流、登山やテニスなどのスポーツ、英国内外への旅…。天皇陛下、青春時代の清新な英国留学記。 社会科学(1タイトル)  #5 点字技能検定試験の対策 過去問題(第22回)の正答と解説  日本点字技能師協会 編 1冊 日本点字技能師協会 2023年 (ロゴス点字図書館出版部 製作)  2022年度に行われた第22回点字技能検定試験の学科試験・実技試験(点字化・校正問題)の正答と解説。問題文は一般CDに録音し、付録として添付。 言語(1タイトル)  #6 会話を哲学する 〜コミュニケーションとマニピュレーション  三木那由他 著 3冊 光文社 2022年  会話とは言葉をもって互いに影響を与え合う営みなのか? 漫画や小説など27のフィクション作品を題材に、コミュニケーションとマニピュレーションという2つの観点から、会話という行為の魅力を解き明かす。 文学(5タイトル)  #7 30代作家が選ぶ太宰治  太宰 治 著 3冊 講談社 2016年  38歳で没した太宰治の短篇を、7人の現代作家が同世代の眼で選んだ作品集。津村記久子・選「駈込み訴え」、西加奈子・選「皮膚と心」、村田早耶香・選「おさん」など7編を収録。  #8 全部ゆるせたらいいのに  一木けい 著 3冊 新潮社 2023年  家族だから愛しく、家族だから苦しい。それでもわたしが夫に、母が父に、父が人生に捨てきれなかった希望。すべての家族に捧ぐ、切実なる長編小説。  #9 展望塔のラプンツェル  宇佐美まこと 著 5冊 光文社 2022年  労働者相手の娯楽の街・多摩川市。フィリピン人の母親を持つ海(かい)は、崩壊した家庭から逃げ出してきた那希沙(なぎさ)とともに、倉庫街で座り込んでいた幼児を拾い、面倒をみることにするが…。荒んだ街の子供たちに救いはあるのか?  #10 母のあしおと  神田 茜 著 3冊 集英社 2020年  平凡な女性、日吉道子の人生を「逆から」紡ぐ連作短編。死から時をさかのぼり、女であり、母であり、妻であり、娘であった道子の人生を周囲の人々のまなざしで描く、心温まる物語。  #11 老害の人  内館牧子 著 5冊 講談社 2022年(点訳グループ「いちご」 製作)  双六やカルタの製作販売会社の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、同じ手柄話をくり返す。彼の仲間も老害の人ばかり。福太郎の娘・明代(あきよ)はある日、たまりかねて腹の中をぶちまける…。 ---  ○【デイジー図書】 18タイトル       医学(2タイトル)  #12 徹底攻略国家試験過去問題集  あん摩マッサージ指圧師用、はり師きゅう師用 第31回  明治東洋医学院編集委員会 編 6時間32分  医道の日本社 2023年(ロバの会 製作)  第31回国家試験(2023年2月)に出題された問題に解説と解答を付す。  #13 鍼灸マッサージ師のためのスポーツ東洋療法 〜必携テキスト  東洋療法学校協会スポーツ東洋療法研究委員会 編著  福林 徹 監修 32時間54分  医道の日本社 2018年(筑波技術大学視覚障害系図書館 製作)  スポーツ領域における東洋療法の果たすべき役割と課題、現場活動に必要な知識など、スポーツ東洋療法の基礎・臨床について解説。 宗教(1タイトル)  #14 法華講員の心得 改訂版  日蓮正宗宗務院 編 1時間49分 大日蓮出版 2008年  法華講員としての基本的な心得を、初心者向けにまとめる。 社会科学(1タイトル)  #15 差別はたいてい悪意のない人がする  〜見えない排除に気づくための10章  キム ジヘ 著 ユン イキョン 訳 10時間5分  大月書店 2021年(厚労省委託:日本ライトハウス 製作)  差別を差別として認識できない「悪意なき差別主義者」はいかにつくられるのか、どのように差別が不可視化され「正当な差別」として偽装されるのかを考察。差別にどう向き合うかを検討する。 産業(1タイトル)  #16 珈琲の世界史  旦部幸博 著 8時間36分 講談社 2017年  先史時代から現代に至るまで、コーヒーが辿った歴史を、起源に関する最新仮説等も交えながらわかりやすく紹介する。 文学(13タイトル)  #17 漱石、ジャムを舐める  河内一郎 著 12時間8分 創元社 2006年  好物はアイスクリームに汁粉、羊羹、牛鍋。医者に止められるほどジャムを舐め、濃厚な味を好んで、ときに牛乳の世話になる―。食べ物からたどる漱石の素顔。  #18 あなたの職場に斬り込みます!  上野 歩 著 7時間42分 光文社 2022年(小樽市点字図書館 製作)  雇用環境・均等部千鳥ケ淵分室に異動になったハローワーク吾妻の間宮璃子。レジでのセクハラ、長時間労働から突然のクビの宣告など、働く人たちの訴えに応え、さまざまな職場に斬り込んでいく!  #19 香君 上 西から来た少女 上橋菜穂子 著 10時間36分  #20 香君 下 遥かな道 上橋菜穂子 著 10時間50分  文藝春秋 2022年(福岡県立図書館 製作)  奇跡の稲、オアレ稲をもたらし、香りで万象を知るという活神〈香君〉の庇護のもと、帝国は発展を続けてきた。あるとき、オアレ稲に虫害が発生する。人並外れた嗅覚をもつ少女アイシャは、オアレ稲に秘められた謎と向き合い…。  #21 のるかそるか  梶山季之 著 12時間55分 集英社 1977年  昭和30年代、オリンピックを数年後に控えた東京は、一攫千金をもくろんだ怪しげな人間が金の臭いを嗅ぎつけて世界中から集まっていた。ペテン師たちの欲と色にまみれた騒動を描く長編小説。  #22 小梅のとっちめ灸 3 針売りの女  金子成人 著 5時間33分 幻冬舎 2023年(熊本県点字図書館 製作)  恋仲だった清七はなぜ死んだ? 真相を探る灸師の小梅は、鍵を握る木島屋の手代・小三郎の話を意外なところから聞く…。シリーズ第3弾。  #23 猪牙の娘 (柳橋の桜 1)  佐伯泰英 著 6時間50分 文藝春秋 2023年(日本点字図書館 製作)  柳橋の船宿で働く娘は、父親のような船頭になる事を夢見ていた。そんな彼女に目を付けた船宿の亭主の「大晦日の趣向」が、思わぬ騒動になり…。  #24 あだ討ち (柳橋の桜 2)  佐伯泰英 著 6時間45分 文藝春秋 2023年(日本点字図書館 製作)  船頭の一人娘は、念願の女船頭となる。船頭を襲う強盗が出没する物騒な時期に船頭となることを、父は心配する。そんななか、彼女に思わぬ悲劇が…。  #25 竈稲荷の猫  佐伯泰英 著 7時間54分 光文社 2023年(日本点字図書館 製作)  日本橋からほど近い竈河岸で、三味線職人の父と暮らす少女と、一張の三味線を造ることを夢みて修行に励む父の弟弟子。夢に向かい進む若き男女を描く。  #26 おんなの花見 (煮売屋お雅味ばなし)  宮本紀子 著 5時間25分 文藝春秋 2022年(小樽市点字図書館 製作)  訳あって離縁したお雅が営む「旭屋」。気難しい差配や常連客の色恋、そして元亭主や母親との関係に悩まされながらも、お雅は旬なお菜をこしらえ、「旭屋」を逞しく切り盛りする。  #27 街とその不確かな壁  村上春樹 著 21時間57分 新潮社 2023年(日本点字図書館 製作)  本当の自分は、高い壁に囲まれた街に暮らしている、と告げる16歳の少女。彼女と交流を重ねる17歳の少年は、その街の図書館で〈古い夢〉を読み始める。  #28 死んだライオン  ミック・ヘロン 著 田村義進 訳 16時間7分 早川書房 2016年  心臓発作で死んだ元スパイが遺したメッセージは「蝉」。それは旧ソ連の幻のスパイにかかわる暗号名だった! ラム率いる〈泥沼の家〉の落第スパイたちが動き出し…。「窓際のスパイ」続編。  #29 ヘレン・ケラーの日記 〜サリヴァン先生との死別から初来日まで  ヘレン・ケラー 著 山崎邦夫 訳 16時間33分  明石書店 2022年(新潟県視覚障害者情報センター 製作)  サリヴァン先生の死後、ヘレン・ケラーはそのショックからどのように立ち直ったか。日々、世界中から届く手紙にどう対応していたか。レーニンに対する共感やナチス・ドイツとの確執、日本の軍部批判など、日々の暮らしと思想の源泉を知ることができる日記の初翻訳。 ---