ISSN 0913-3321    LIGHT OF LOVE    Overseas Project for the Blind - Plans and Reports 秋号・Autumn No.17 2001. 10 愛の光通信 東京ヘレン・ケラー協会 海外盲人交流事業事務局 (写真9葉:キャプション) (1)王宮通りを警備する警官隊:ゼネストで緊張するカトマンズ(2001年元日)(2)竹内理事(左端)SWC協定書の件でNAWB幹部と会談 (01.04.30)(3)前後に4人ずつ並び、一度に8名分の写真を撮る:住民の身分証明書発行(パタラ校・00.12.27)(4)朝礼(シャンティ校)(5)給食(ドゥマルワナ校)(6)合唱(アマル・ジョティ校)(7)村の寺子屋で学ぶ弱視児とただ一人の教師(右)(8)お祭りで着飾った回教徒の盲人(中央)とその家族(9)当協会で研修中のアルヤール氏(4ページに関連記事) ---------------------------------------------------------------------------------------- p2 LIGHT OF LOVE      バラCBRの12年      引き継がれる小さな灯火 (U)  当協会がネパール盲人福祉協会(NAWB)と共同で12年間継続してきたバラCBRが2001年6月完了した。今後は地元のコミュニティが事業を引き継ぎ、細々とではあるが、文字通り地域に根ざしたリハビリテーション、つまりCBRを郡や町の行政機関とも連携しながら実施していく。      CBRって、なに?  私達が、12年間心血を注いだCBR(Community Based Rehabilitation)とは何だったのか?今一度、ここでふれたい。わが国では行われていないので、「ピンとこない」という声をいまだに聞くからだ。  先進国における障害者リハビリテーションは、施設収容型である。つまり、失明したら、各地の障害者福祉センターに入所し、歩行訓練や日常生活動作訓練(ADL)、それに点字を学習する。そして、家庭や職場に復帰したり、新たに職業訓練を受けるのだ。ネパールにも諸外国の支援を受けて設立された障害者施設が1カ所ある。しかし、快適な生活に慣れた入所者は、自宅復帰ができなくなり、その実をあげられないでいる。このような反省にたって、国連主導により現在途上国で実施されているのがCBRである。  バラCBRの場合、具体的にはセンター所属のフィールドワーカーが、自転車で視覚障害者の自宅を訪問し、カウンセリングを行い家族や隣人とも相談しながら、歩行訓練やADLなどを実施し、その後、ニーズにあわせて家畜飼育などの職業訓練を行うのである。ただ、正確な統計などは望むべくもないのでフィールドワーカーは、まず村の人口を調べ、視覚障害者の名前、年齢を確認することからはじめなければならない。もっとも村人で自分の年齢を正確に記憶している人は極めて稀であるから、その推定にも時間がかかる。また、当初はリハビリテーションの意義が浸透せず、盲目のわが子を隠す親もいた。      監視されていたCBR  2000年12月27日、四輪駆動車で農村をフィールドワークしていた私達の前に突然母親に連れられた盲児が現れた。この事態に最も驚き慌てたのは、この地域を管轄するフィールドワーカーであった。しかも、彼は母親とも顔見知りで、少年の自宅も知っていた。どうやら、母親は何年も前からフィールドワーカーの動きを観察し、やっとバラCBRが信頼にたると判断し、私達の前に子供を連れてきたようなのだ。(写真:盲少年)      働く視覚障害者  バラ郡における視覚障害者の仕事を聞かれ、家畜の飼育が多いと答えると、怪訝な顔をされることが多い。「牧場経営」と誤解されるようなのだが、乳牛で1頭、山羊でせいぜい3頭飼っているだけだ。ほとんど自給自足の農村社会では、それでも貴重な現金収入源で人並みの生活が可能となる。  ただ、ひとまとめに視覚障害者といっても、その視力、年齢などにより農作業の役割は様々だ。高齢者だと家畜の餌やり程度だが、一家の大黒柱として重労働を一手に引き受けている盲人も少なくない。特に人力による共同井戸からの給水は、家畜の分もあるので、場合によっては過酷でさえある。      ネパールの水(囲み記事) ネパールはモンスーン気候で、ヒマラヤの雪解け水にも恵まれた土地である。しかし、ネパール政府が「マハナガール(首都)」と自負する100万都市カトマンズでさえ、水道のない家が多く、古い共同水場で水浴や洗濯を行っている。しかも水道は朝夕2時間ずつの時間給水で飲料には適さない。一方、バラ郡では専ら共同井戸が使われており、驚くことに畠の灌漑にさえ手動ポンプが使われている。 ---------------------------------------------------------------------------------------- p3 LIGHT OF LOVE(写真:手動ポンプを押す盲人)      緊縮財政と昇級問題  ネパールにおける事業は、主に皆様から寄せられる寄付金と国際ボランティア貯金の配分金により賄われている。しかし、昨今の冷え切ったわが国の経済環境では、どちらも余り芳しい状況ではない。特に平成11年度に11億8千万円あったボランティア貯金の総額は、平成12年度には6億5千万円と半減。このため、当協会への配分金も624万円から337万2千円になった。幸いなことに寄宿舎建設も一段落し、バラCBRも残り1年となり事業規模を縮小する条件も揃っていたので、最悪の事態は免れたが、それでもかなり厳しいギリギリの運営を強いられた。  そこに降ってわいたのがネパールの昇級問題だ。なにしろ公務員の給料を16〜91%の範囲であげるというのだから驚く。NAWBはNGOである、非政府機関であれば公務員の昇級問題は関係なさそうだが、実は給料は公務員並ということになっており、知らぬ顔はできないのだ。当協会関係の昇級分は43%である。とても払いきれないと思ったのだが、数度の厳しい折衝の末なんとか無理をするしかないという結論に達した。  今回の騒ぎは、3年前に政府の給与委員会(Pay Committee)が、「公務員の俸給では食えない」と判断したことにさかのぼる。以前から現地に住む邦人の間では、「どう切りつめても一人月1万円は必要なのに、4人家族で月5000円でどうして生きていられるのだろう」と不思議がられており、公務員とは安月給の代名詞であったのだ。  自給自足の農村社会はともかくとして、都市住民が最低限の生活を営むにはどれだけの費用がかかるか明確な指標はない。物価や生活スタイルが違いすぎて、わかるはずが無いのである。しかし途上国における貧しさの基準に「1日、一人当たり1ドル以下の生活をしている国民が何人いるか」という言い方がある。「だから武装蜂起して人民を解放するのだ」という、物騒な口実にもなるのだが。その伝でいうなら、食えているネパール人は、おそらく1割にも満たないのでは無いだろうか。(写真:牛を飼う盲婦人)      CBRセンターがない?(囲み記事) バラCBRセンターといっても現地では誰も知らなかったので、僕は青くなった。しかし、「できて10年以上たち、だいいち町役場の隣に、その建物はある」というと、「それならアンダー・カライヤ・サン(盲人福祉協会)だろう」とか、「アイ・クリニック(眼科診療所)を知らない者はこの町にはいない」と口々にいわれ、やっと安心した。 同センターの看板には、英語でバラCBRセンター(Bara CBR Centre)と書いてあるので、それで通じていると思ったのだが。 ところで、英語はおろかネパール語も通じない村々で、フィールドワーカーはCBRをいったいどのように説明し、リハビリを受けるように説得しているのか?これはちょっと想像できない。しかし、視覚障害者が手作りの白杖を片手に水くみをしたり、器用に草を刻んで飼い葉を作っているのをみると、この地にCBRが見事に根付いていることを実感するのである。(福山博)(写真:改築工事中の町役場から、消防車とトラックを預かる) ---------------------------------------------------------------------------------------- p4 LIGHT OF LOVE      活躍する寄せられた英文タイプライター(英文タイプを盲児に指導している写真:ジュダ校にて)、(英文タイプを盲児に指導している写真:ドゥマルワナ校にて)  本誌15、16号で「英文タイプライターをお譲りください」とお願いしたところ、合計17台お寄せいただきました。現在当方で分解掃除をしておりますが、まだすべてに手を付けることができない状態で、嬉しい悲鳴をあげております。また、テープレコーダーも9台お寄せいただきました。  なにぶん手荷物として、現地に運び込んでおりますので、すべての寄贈品を現地に運び込むにどれだけかかるか、これもまだ計りかねている状態です。ご協力本当にありがとうございました。      タイプライターに添えられていた手紙(囲み記事)  寄贈しました古いタイプライター2台ともネパールで視覚障害児のために使って頂けるとのこと本当に良かったです。Smith-Cononaは私がアメリカに留学中(1950s)に大学の博士論文の提出に数年間使ったもので、当時ペンキ塗りのアルバイトの収入で買ったものでした。  また、ヘルメス・ベビー(Skyriter)は、私がジェネーヴのILO本部に勤めていたとき、ILO条約195号、ILO勧告168号(1983年障害者雇用に関する国際基準)の起案を数ヶ月間自分自身でタイプした想い出のものです。このタイプライターは2台とも私の活動を助けてくれた“恩人”のようなものでした。  でも、私が定年で殆ど働かない今、まだこのタイプライターは2台とも一生懸命に働いてくれるのですから、本当に感謝しております。ほんとうに有り難うございます。  東京ヘレンケラー協会の益々のご発展を祈ります。(丹羽勇/Sam Isamu Niwa)      アルヤール事務局長の研修  ネパール盲人福祉協会ホーム・ナット・アルヤール事務局長は、平成13年1月22日〜2月9日の日程で当協会において研修を受けた。これは国際協力事業団(JICA)の招聘によるもので、当協会は同事業団の依託を受けて同氏の研修を実施した。  当協会における研修は、(1)インターネット等のIT技術を用いて点字等特殊教育分野の情報を収集、(2)それらの情報を基に、ネパールですぐに役立つ教材を作成するというものであった。  同氏は平成6年にも当協会において研修を受けたことがある。そして研修の中で氏は、ネパールに点字の理数学記号が無いことに気づき、急遽米国式の点字理数学記号である「ネメス点字コード」を当協会で学び、ネパールに導入した経緯がある。  今回の研修では、米国のホームページにアクセスし、"The Nemeth Code Tutor"という無償ソフトウエアをダウンロードし、パソコンに組み込んで、その使い方を学んだ。これは、パソコンによりネメスコードを独習できるソフトだが、その使い方を学ぶうちに、ネパールにおける英語点字の指導に疑問が出てきた。そこで、当時都立北療育医療センターに勤務されていた福井哲也(現日本ライトハウス勤務)氏に「英語点訳」に関する多数の資料を提供していただき、ご指導を受けた。また、米国の事情に関しては、障害者職業総合センターの指田忠司氏にアドバイスを受けた。  また、アルヤール氏は研修の一環として、当協会発行の『点字独習八週間』をベースに、ネパール語版ともいうべき就学前点字教育の指導書『点字は友達(原題はネパール語)』をパソコンで作成した。そして研修期間中にこの点字書を25部出力し、ネパールの統合教育校等24カ所に郵送した。 ---------------------------------------------------------------------------------------- p5 LIGHT OF LOVE      2000年度事業報告(平成12年4月1日〜平成13年3月31日)(写真:点字を読む少女(シャンティ校))  ネパールにおける事業は、本年度も引き続き寄付金と総務省郵政事業庁の国際ボランティア貯金の配分金を財源に、ネパール盲人福祉協会(NAWB)と共同で実施した。  ボランティア貯金の配分総額は、平成11年度の約11億8千万円に対し、平成12年度は約6億5千万円と45%減となったため、当協会への配分額も平成11年の624万円から本年度は337万2千円へと減額され、事業は厳しい財政状況を強いられた。このため継続事業を徹底的に見直し、NAWBの理解を得ながら事業を大幅に縮小した。  NAWBの給与体系は、ネパールの公務員に準じて定めている。ところが2001年5月ネパール政府は、突然公務員の給与をそのクラスに応じて16〜91%昇給すると決定した。この大幅昇給は、低賃金にあえぐ公務員の給与を民間並みに引き上げることを目的としたものだが、事前に新聞等でさえまったく予想できなかったため、大きな波紋を投げかけた。  当協会関連事業の昇給も43%に上り、NAWBではその分の追加人件費47万7千ルピー(邦貨にして約81万円)を要望してきた。これに対して当事 寺院で演奏する全盲のドラマー 務局は、平成12年末に事務局員をネパールに派遣し、例年行っている事業管理の中で調査を行った。さらに、平成13年1月には国際協力事業団の招聘により、当協会で訓練中のNAWB事務局長から、詳細に事実関係を聴取・確認し、やむを得ないとして追加給与分をNAWB宛送金した。    1.点字教科書製作・配布と技術指導  NAWB点字出版所において、ネパール全土の統合教育校(33校)で使われる点字教科書・副読本、点字カレンダー等を作成し、無償配布した。    2.視覚障害者リハビリテーション(CBR)事業  12年間継続した本事業は最終年にあたっており、旧郵政省より事業予算の半減を求められたこともあり、眼科診療以外は、必要最小限のフォローアップにとどめた。    3.統合教育の推進  従来通り統合教育校5校に在籍する80名弱の視覚障害児の就学を保証・支援するほか、NAWB本部において、統合教育校の教師を対象とした講習会を開催した。    4.視覚障害者職域開発  鍼灸の技術移転の可能性については、NAWBも否定的で、また実施するとなると莫大な予算措置を取らざるを得ず、現実的ではないとの見解で一致したためこれを中止した。    5.広報・イベント・募金活動  年に1回発行してきた「愛の光通信」を、年に2回発行できるような態勢作りに全力を注いだ。恒例の「国際協力フェスティバル」は、近年途上国の物品販売の場と化しており、休日に職員を配置しても、期待するほどの波及効果は得られないと判断し、今年度は参加を見合わせた。 ---------------------------------------------------------------------------------------- p6 LIGHT OF LOVE      平成12(2000)年度収支計算書      自 平成12年4月1日、至 平成13年3月31日    (借方)以下、科目、金額(円)の順 事務費1,085,478  賃金360,000  旅費380  消耗品費105,053  印刷製本費131,250  役務費420,013  雑費68,782 事業費5,263,975  海外出張費868,965  海外援護費4,389,000  雑費6,010  小計6,349,453 当期繰越金△21,587  合計6,327,866 (貸方)以下、科目、金額(円)の順 寄付金収入 4,865,299 助成金収入 3,439,583 募金収入 1,425,716 事業収入152,000  販売収入152,000 繰入金収入 1,300,000   本部会計繰入金1,300,000 雑収入10,567 雑収入10,567 合計6,327,866 ----------------------------------------------------------------------------------------      貸借対照表      平成13年3月31日現在   (借方)以下、科目、金額(円)の順 流動資産11,204,168 現金 45,549   預金10,770,619   仮払金388,000  資産合計11,204,168   (貸方)以下、科目、金額(円)の順  繰越金、11,204,168 前期繰越金、11,225,755 当期繰越金、△ 21,587 純財産合計11,204,168 ----------------------------------------------------------------------------------------      海外援護事業記録 (2000/6 〜 2001/5)  2000年6月 国際ボランティア貯金配分金決定  2000年10月 「Light of Love(愛の光通信)No.15」発行  2000年11月 東京ヘレン・ケラー協会創立50周年記念「感謝のつどい」毎日ホールで開催(11/10)  2000年12月 現地における事業管理:福山博 (12/23〜1/6)  2001年1月 NAWBホーム・ナット・アルヤール事務局長当協会にて研修 (1/22〜2/9)  2001年4月 「Light of Love(愛の光通信)No.16」発行  2001年4月 現地における事業管理:竹内恒之(4/25〜5/2)・福山博 (4/25〜5/9) ---------------------------------------------------------------------------------------- p7 LIGHT OF LOVE      寄付者ご芳名(五十音順・敬称略)平成12年7月1日〜平成13年6月30日)      温かいご声援ありがとうございました!   (個人) 青木貞子、青木ヒサ、青木正樹、秋冨繁夫、秋山恭子、浅倉久志、浅野孝一、芦田賀寿夫、阿部淳、天野治夫、荒木國夫、在田一則、有本成子、安藤生、安藤嘉英、飯田深雪、池田義明、石井正、石井芳重、石田隆雄、石谷喜代、石原幸栄、石光貞子、市角誠、市古貞次、出光永、伊藤啓子、稲本八重子、今泉新治、今川勇、井村恵津子、植竹清孝、上野伊津子、上村健次、内山武、遠藤利三、及川幸男、大内三良、大岡信、太田義秋、大西明絵、大西正広、大橋東洋彦、尾形雅子、岡本好司、岡山美恵子、小河静、小川喜直、尾関育三、小田原孝之、小幡欣治、折戸正明、加来典子、鹿島和子、片桐武昭、勝山良三、加藤万利子、金田一郎、金田敏子、苅安達男、河田満、間瀬泉、菊井明子、木塚泰弘、木村信子、清宮篤志、楠本睦子、鞍谷清孝、栗本久夫、黒見恵美子、小泉周二、小出隆家、肥塚隆、肥塚美和子、古賀副武、古賀恵依子、後藤良一、小林明子、小林一弘、小堀正夫、小堀光弘、小森愛子、紺野治子、斎藤惇生、坂井友実、坂入操、坂口広光、佐久間清子、佐久間十三江、佐古井貞行、佐々木三郎、指田忠司、佐藤謙次郎、佐藤久夫、篠原信子、柴沼豊子、島岩、清水佐保子、白井雅人、末吉恵里、菅原温子、鈴木雅夫、鈴木みつる、鈴村豊春、須原ひとみ、芹澤良恵、染矢朝子、高橋秀幸、滝田和枝、竹村実、田中さ加恵、田中茂、田中徹二、谷内正史、田伏淳一郎、田村理香、土田利久太、坪川靖彦、寺島アキ子、照井博、当津順子、当山啓、鳥羽田節、直居鉄、中尾照美、長崎五作、中島章、中曽栄吾、仲地宗輝、長棟まお、中村保信、成田稔、西條一止、西本行男、野津虎雄、橋本時代、長谷川一郎、長谷川薫、八田公雄、花田重信、林大、林紘子、原田美男、檜山寿子、桧山美代子、広沢大八郎、福原ササノ、二上達也、古市薫、古田賢二、平安名栄一、星野彰、牧達玄、増野幸子、町田英一、松岡義人、松田節子、松葉幸子、真鍋静子、丸山雄一郎、三浦光世、三井戸誠三、水上毅、南英治、三原富美子、三宅正太郎、宮崎勇、宮原満州男、目黒千代子、茂木幹央、本吉寿一、本吉妙子、森典子、森山朝正、森川精子、森屋義男、山口節子、山口元子、山崎邦夫、山田道枝、山根昭市、山本幸子、山本正次、吉田禮、吉村弘子、米田昌徳、若林弘子、渡辺尚道、渡辺登、渡辺勇喜三   (団体等) (株)アドベンチャーロード 、(株)啓陽代表取締役・疋田豊 、(株)高垣商店 、(株)ティームコム代表取締役・阿部誠 、(有)大本印刷代表取締役・大本貞堅 、点字出版所青葉会 、磯貝碧蹄館 、エアメールサービス 、岐阜盲学校生徒会 、京都ライトハウス点字出版部・田中正和 、聖明学園古和釜幼稚園 、田中産科婦人科・田中雅治 、光の家・田中亮治 、多磨盲人会会長・日原一 、つつじ点訳友の会・神山貞子 、錦紙商事(株) 、花園神社宮司・片山文彦 、点字出版所募金箱 、満福寺・野々山宏 、宮古南静園視覚障害者会 、盲人福祉研究会会長・斯波千秋 、山辻医院・山辻英也   (物品寄附) 新井猛二、及川幸男、大平隆士、黒崎久、紺野正憲、榊なほみ、道家寧、中村晃子、丹羽勇、野中省三、山口節子、米田功、アジア保健研修所 ---------------------------------------------------------------------------------------- p8 LIGHT OF LOVE      功績が認められたNAWB  やや旧聞に属するが昨年(2000年)7月21日、当協会のカウンターパートであるネパール盲人福祉協会(NAWB)は、ネパール女性・児童・社会福祉省より、顕著な功績のあったNGO5組織の一つとして表彰された。表彰式には、NAWBを代表してカマル・ルパケティ会長(写真右)が出席し、ラム・チャンドラ・ポーデル副首相より飾り額と賞金1万ルピーが授与された。      ネパールの地域間(?)格差  ネパールの景勝地ポカラに住む全盲の呪術師、ゴビンダ・プラサド・スベディ氏(56歳)の月収は約8,000ルピー。邦貨で14,000円弱だが、小学校の教員が4,100ルピーなので、これは悪くない。バラ郡では、乳牛飼育で成功している盲人でも1,300ルピーなので、その格差は歴然としている。  スベディ氏は、通りに面した瀟洒なビルの1階に事務所を構えており、氏はゆったりとした肘掛け椅子に座り、客にはソファーを勧める。目立つ看板には呪術師のシンボルである太鼓と英語でフェーマス(有名な)・ドクターと書いてあった。  一方、バラ郡の盲人は藁で葺いた泥壁の家に住み、家具はおろか出入りのドアさえない。さすがに冬場は寒いので、入り口にムシロがかけられるだけだ。 ----------------------------------------------------------------------------------------      募金のお願い  ネパールにおける失明防止と視覚障害者支援の充実をはかるために、募金をお願い致します。  寄付金のご送金は下記口座をご利用ください。 郵便振替:00150−5−91688 銀行口座:三井住友銀行新宿通支店(普)5101190      寄付金に対する減免税措置  東京ヘレン・ケラー協会は、所得税法施行令第217条第1項第5号にかかげる社会福祉法人でありますので、当協会に対するご寄付は、所得税法第78条第2項第3号、法人税法第37条第3項第3号の規定が適用され、税法上の特典が受けられます。 ----------------------------------------------------------------------------------------      編集後記  本年6月1日のネパール王宮での発砲事件は、まったく血も凍る痛ましい出来事でした。ビレンドラ国王をはじめとする王族十名のご冥福を、心よりお祈りします。▼その後の真相究明を求めるデモ、外出禁止令、ゼネストと現地は大混乱に陥り、外務省は一時危険度1の「注意喚起」を勧告しました。▼このため現地からの経理報告等が遅れ、8月末提出期限の国際ボランティア貯金援助事業の報告書作成が著しく困難になりました。そこで、昨年当協会を退職した根本厚志氏に急遽お手伝いを願い、事なきを得ました。根本さん、本当にありがとうございました。(H・F)   ---------------------------------------------------------------------------------------- 発行:社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会海外盲人交流事業事務局 〒169-0072 東京都新宿区大久保3−14−4 TEL : 03-3200-1310  FAX : 03-3200-2582 E-mail : XLY06755@nifty.ne.jp TOKYO HELEN KELLER ASSOCIATION (Established in 1950) 14-4, Ohkubo 3 chome, Shinjuku-ku, Tokyo 169-0072, Japan