乗用車(セダン)の乗り心地、スポーツ用多目的車(SUV)のオフロード走行性、ミニバンの居住性などを併せ持つ車。クロスオーバー・カーに明確な定義はないが、セダン、クーペ、オープン、ワゴン、ミニバン、SUV・・・という既存車種の特質や概念を寄せ集めたため、既存車種では分類できない車をいう。
1月8日から22日まで米ミシガン州デトロイトで開催されている北米国際自動車ショー(デトロイト・モーターショー)では欧米メーカーの目玉となっており、米フォード・モーターは、屋根を前方にスライドさせ荷台を作る新タイプの車「エッジ」を発表した。
なお、恒例の2006年カー・オブ・ザ・イヤーには、乗用車部門では「新型シビック」、トラック部門ではピックアップの「リッジライン」と、ともにホンダ車が独占受賞した。
昨年12月23日中国文革四人組の最後の一人姚文元(ヨウ・ブンゲン)元中国共産党政治局員が74歳で病死し、明らかに一時代の幕が完全に降りた。それに先立ち10月と11月、毛沢東の恐るべき実像に迫る好著が立て続けに刊行された。先に出されたのは『中国がひた隠す毛沢東の真実』北海閑人(ほっかい・かんじん)著、廖建竜(リョウ・ケンリュウ)訳、草思社刊、1,890円。同書は、香港で出版されている中国問題専門月刊誌『争鳴(そうめい)』の2001年4月号から断続的に2004年2月号まで掲載された記事をまとめて和訳・刊行したものだ。
毛沢東が死んだ翌年の1977年に創刊された『争鳴』は、中国語による100ページ足らずの雑誌だが特別の権威を持っている。それは中国の中央、地方を問わず政権内部の腐敗を暴き、禁止された論文を掲載し、北京指導部内の暗闘を極めて正確に伝えてきたからだ。
これまでわが国においても1979年『毛沢東の悲劇』、1994年『毛沢東の私生活』、1999年『毛沢東秘録』等、毛沢東の恥部や暗黒面を暴く大部の書が刊行されてきた。しかし、それらは中華人民共和国が成立し、毛沢東が政権を掌握したのちの、とくにプロレタリア文化大革命以降の凄惨な悲劇をもっぱら記したものである。つまり、批判書であっても毛沢東の前半生は手つかずで、このため事実上エドガー・スノーが『中国の赤い星』ででっちあげて以来、数限りなく発表されてきた毛沢東賛美を前提にしたものであった。その点、前記『毛沢東の真実』は、このような建国の英雄伝説を完全に覆し、毛沢東の暴虐が1930年に始まり、死ぬまで断続的に行われ、4千万人以上の人民を死に追いやったと断罪している。著者の北海閑人はペンネームで、現在も北京に住む引退した政府機関の古参幹部といわれている。
同書に次いで刊行された、『マオ ―― 誰も知らなかった毛沢東』(上・下)ユン・チアン、ジョン・ハリデイ著、土屋京子訳、講談社刊、各2,310円では、毛沢東により死に追いやられた犠牲者は7千万有余人とし、『毛沢東の真実』より3千万人も多いのはいかにも中国らしい。もっとも『毛沢東の真実』の数字は、中国政府の秘密ファイルに記されている数字のようなので、これをごく堅い数字と考えれば、矛盾ではない。
ユン・チアンは、19世紀末から20世紀後半までの中国に生きた、祖母、母、娘の3代を描いた『ワイルド・スワン』により、わが国でも1993年に一世を風靡した作者である。ジョン・ハリデイはチアンの夫にしてロシア語に堪能な歴史学者で、著書8冊のうち、わが国でも3冊が翻訳・出版されている。
『マオ』は彼ら夫婦が毛沢東に接触のあった人々、歴史的人物、重要目撃者、特別な情報の入手が可能であった38カ国の480人にのぼる人物にインタビューし、入手した原資料を分析して、毛沢東の実像に肉薄した労作である。うち日本人は、日本共産党の幹部である宮本顕治、不破哲三、立木洋、同党を除名された野坂参三。それに内閣官房長官や自民党幹事長を歴任した二階堂進らが毛沢東と面識のあった人々で、関係者としては昭和天皇の弟にして支那派遣軍参謀であった三笠宮崇仁親王、現代史家の秦郁彦など中国問題の専門家等計17人にのぼる。
『マオ』には孫文の未亡人であった宋慶齢(ソウ・ケイレイ)がソ連のスパイで、ソ連に人質として留め置かれた蒋介石の長男蒋経国をめぐって義弟にあたる蒋介石本人と人質交換交渉を行ったというようなショッキングな話題が満載されている。そのなかでも特筆すべきは、「張作霖爆殺は一般的には日本軍が実行したとされているが、ソ連情報機関の資料から最近明らかになったところによると、実際にはスターリンの命令にもとづいてナウム・エイティンゴン(のちにトロツキー暗殺に関与した人物)が計画し、日本軍の仕業に見せかけたものだという」というくだりで、これには仰天した。本書の参考文献一覧および翻訳引用文献一覧は膨大に過ぎるということで、ホームページにて公開されている。そこには根拠も示されているが、もし、それが事実なら現行の世界史の教科書は書き直しではないか?(福山博)
昨年(2005)12月16日にネパール盲人福祉協会(NAWB)より当協会に、次のようなメールが届きました。
当協会では、1991年から断続的に「使わなくなったテープレコーダーをお譲りください」というキャンペーンを行ってきました。そしてこれまでネパールに100台以上の中古のカセットテープレコーダーを贈り、直近では2002年5月にNAWBに届けています。
そこで、もし使わなくなったカセットテープレコーダーやラジカセ、ICレコーダーなどがありましたら、厚かましいお願いですが、送料をご負担のうえ、当協会の海外盲人交流事業事務局までお送り願えませんでしょうか。ネパールの家庭用電圧は220Vですが、現地で比較的安価に電圧変換器は入手可能なので、定格電圧100Vでなんら問題ありません。
現地には手荷物として届けるため、時間はかかりますが、かならずお届けしますので、ご協力をお願いいたします。
音声ガイドと日本語字幕付きの映画「博士の愛した数式」が、1月22日から全国4ヶ所の東急系映画館で公開される。封切り(1月21日)とほぼ同時に音声ガイドの付いたロードショー作品が上映されるのは異例だ。これは日本最大の客席数を誇る「新宿ミラノ座」をはじめ、都心を中心に映画館を経営するとともに、「109シネマズチェーン」として、全国各地にシネマコンプレックス(映画館が複数併設されているビル)を展開している(株)東急レクリエーションが、顧客へのサービスを充実する一環として実施する初の試み。上映に先立つ1月11日には、視覚障害者約30人を招待して仙台市青葉区のせんだいメディアテークで音声ガイド付試写会が開催され大好評を博した。
17年前の交通事故以降、新しい記憶は80分しか持続しなくなった数学博士(寺尾聰)の世話を、シングルマザーの家政婦杏子(深津絵里)がみることになった。毎日繰り返される会話は「靴のサイズは?」、「24です」、「4の階乗だね」という数学にちなんだものばかり。また博士は、杏子の10歳になる一人息子(齋藤隆成、成人後は吉岡秀隆)に「ルート」というニックネームをつける。こうして阪神タイガース・ファン3人によるユニークな生活は、またしても「江夏の背番号は28。約数を足すと28になる完全数だ」というような数学三昧だが、少しも難しくはないばかりか、軽妙なユーモアにあふれている。しかし博士の記憶時間は徐々に短くなっていく・・・。
1991年に「妊娠カレンダー」で芥川賞を受賞した小川洋子による同名の原作は、第55回読売文学賞や書店員が最も売りたい作品を投票で選んだ第1回「本屋大賞」を受賞したミリオンセラー。これを「雨あがる」や「阿弥陀堂だより」で日本アカデミー賞監督賞を2回も受賞した小泉堯史監督が、巧みに映画的要素を取り込む一方、能楽の「江口」、ウイリアム・ブレイクや良寛の詩、哲学者西田幾多郎のエピソードなどで独自色を付けて、詩情豊かに誰もが心打たれる映画に仕上げた。
音声ガイドには、あらかじめスタジオで録音し、映画本編のセリフや音のタイミングにあわせてその声をパソコンで編集してデジタルプレイヤーで再生する方式と、ナレーターが映画を見ながら実況する方法があるが、今回試みられるのは後者。本来は映画の音声・伴奏音・効果音などと同じようにサウンドトラックに音声ガイドを記録できればよいのだが、今回は物理的にその余裕がなく、しかも上映館によって映写機が違い、上映時間にズレが生じるため、やむなく実況となった。このため、1日4回、総入れ替え制で行われる上映のうち音声ガイドが付くのは2回のみ。したがって、音声ガイドを聞きたい人は、あらかじめ映画館に電話で音声ガイド付きで上映される時間を問い合わせる必要がある。また、音声ガイドはFM電波で客席に飛ばすため、FMラジオとイヤフォンは必携である。ちなみにチューニングは、映画館の入口でその旨申し出ると、その場で合わせてくれる。入場料は、障害者手帳を提示すると、本人と付き添い者1名に限り各1,000円となる。
音声ガイド付「博士の愛した数式」の上映日と上映館は次の通り、括弧内は電話番号。
- 1月22日、109シネマズMM横浜(045-664-0109)
- 1月29日、109シネマズHAT神戸(0570-011-109)
- 2月5日、109シネマズ名古屋(052-541-3109)
- 2月12日、渋谷東急(03-3407-7219)
東京ヘレン・ケラー協会の英語の略称はTHKAなので、これをネパールでは親しみを込めて「タカ」と呼んでいます。そこで協会のホームページのアドレスをこれ以上略せないほど短くしたら、thka.jpとなるので、これをひとまず「タカ・ドット・ジェイピー」と呼ぶことにします。というのは、このように入力すると最小の労力で、当協会のホームページにアクセスできるからです。ただし、当協会のホームページの正式なアドレスは、本誌題字下に毎号掲げているとおりhttp://www.thka.jp/です。
昨年の夏に、それまで部署によって独自に、あるいは暫定的に公開してきたホームページを、協会全体で統一して、総合的にリニューアルオープンしましたが、その後さらに進化・発展を遂げました。たとえばhttp://thka.jp/shupan/journal.htmlと入力すると、2005年1月号からの『点字ジャーナル』の全目次にアクセスすることができ、しかも各号の「巻頭ミセラニー」と「編集ログブック」それに、毎月の厳選したコラムもテキストで読むことができます。
『愛の光通信』も読める
東京ヘレン・ケラー協会のネパールにおける国際協力事業をお知らせする『愛の光通信(ライト・オブ・ラブ)』は、ホームページ(http://thka.jp/kaigai/reports)からダウンロードして読むこともできます。
もっとも古いバックナンバーは、第15号(2000年10月秋号)で、これはテキスト形式のみです。次の第16号からはテキスト形式に加えてBASE形式も加わり、第24号からは、さらにそれに加えてPDF形式も加わり、ぐっと充実しました。もちろん最新号の第25号(2005年12月冬号)も、テキスト形式、BASE形式、PDF形式の三役揃い踏みです。
ただし、携帯電話ではBASE形式とPDF形式を読むことは不可能です。テキスト形式であれば、たとえばiモード対応の携帯電話らくらくホン等で読むこともできます。