米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設や、米陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への移転について、11月7日、沖縄・神奈川両県知事が相次いで反対を表明した。これらの在日米軍再編の背景には米政府が同時多発テロ後の国防戦略見直しにおける安全保障上の認識「不安定の弧」がある。これは、イスラエルからカスピ海を通り北朝鮮を結ぶ線と紅海から韓国へといたる弧の間、つまり東欧から中東、インド、中国、北朝鮮にかけての地域が近年、テロの温床となっている。そこで、米軍がこの地域への関与を強化するために、日本を重要な戦略拠点と位置付けているのだ。なお、同時に米国は豊かな油田のあるアフリカ北部を「チャンスの弧」、治安と経済が安定している欧州を「安定の弧」としてとらえている。