また、政府が変なことをはじめたと思ったのは、昭和54年(1979)に大平内閣が打ち出した「省エネルック」の空騒ぎを想い出したからだ。しかし、今回環境省が公募を経て命名した、「クール・ビズ」は、悪くないネーミングだ。bizは「ビジネス」の短縮形なので、「涼しい(クールな)服装で、冷房温度を抑え、電力消費を減らして、格好良く(クールに)仕事(ビジネス)をやろう」とでもいうようなメッセージもよくわかる。しかも、この種の横文字名称にありがちな、原語の意味をねじ曲げた牽強付会もない。ただ、政府は、立派なネーミングさえつけたら国民は素直に「踊る」とでも思っているのであろうか。このめでたさばかりは、四半世紀過ぎた今も変わらない。「国家公務員や官庁出入りの業者は、原則6〜9月はネクタイ厳禁」という通達でも各省庁一斉に出した方が、よほど効果があがると思うのだが?