愛の光通信    2015年夏号通巻44号 2015.7    LIGHT OF LOVE    Overseas Program for the Blind - Plans and Reports    ISSN 0913-3321 東京ヘレン・ケラー協会 海外盲人交流事業事務局  「額を寄せ合って」というよりも、両者は頭の一部が完全にくっついています。よほど仲がいいのでしょうか? でも、この二人は同級生ではありません。右側の視覚障害生徒より、左側の目が見える生徒の方が一級下なのです。密談するようにお互い余りに小さい声なので、耳をそばだてるだけではすまなくなり、ついには頭が接触してしまったのです。実は、これは進級試験の1シーンなのですが、詳しくは4ページをご覧下さい。 ●夢はかなう― Dream Come True ― ネパールでの30年の事業を振り返る 海外盲人交流事業事務局長/福山博  ネパール中部で4月25日、強い地震が発生しました。これにより亡くなられた方々のご冥福をお祈り致しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申しあげます。     点字出版所の建設  1981年の「国際障害者年」を契機に、当協会はアジアの視覚障害者を支援する目的で、海外盲人交流事業を発足させ、事前調査を行うため1985年12月、田中徹二氏(現・日本点字図書館理事長)を団長に盲人福祉調査団をネパールに派遣しました。  その直前に首都・カトマンズではネパール盲人福祉協会(NAWB)が発足しましたが、現地で調査団が目にしたのは、障害者福祉に携わる人々の志の高さと裏腹な現実の厳しさでした。NAWB本部は、伽藍の一部が倒壊した古いヒンズー寺院ゴパール寺の中にありました。  しかも就学適齢期の盲児3万8,000人のうち、実際に教育を受けているのはたった120人で、その生徒たちが手にする点字教科書は、数人に1冊の割合で、回し読みするためボロボロでした。  調査団は、黎明期にあるネパールの盲人福祉を発展させるためには、先覚者を育てるための教育が先決で、そのためには生徒に各教科1冊の点字教科書の給付が不可欠で、早急に「点字印刷設備の供与と技術移転」が必要だと結論づけました。  こうして点字教科書を発行するための点字出版所の建設計画が浮上し、そのための人材育成を行うことになり、1986年8月、NAWBリソース・プロダクションの主任が来日しました。晴眼者の彼はそれから3カ月間、当協会と点字製版・印刷機の製造メーカーで研修を重ね、11月に帰国しました。  同年12月、点字製版機1台、点字印刷機2台、亜鉛板4千枚、点字用紙4連(B5サイズ6万4千枚)等関連資機材が、当協会からNAWB宛に船便で送り出されました。これらは、1987年6月にカトマンズのゴパール寺に到着。古い伽藍の1室に据え付けて、そこが仮の点字出版所となりました。  その直後、東京から空路送った2台目の点字製版機もNAWB本部に到着し、点字製版・印刷機の2台体制が整い点訳も進み、1989年7月、全国の視覚障害教育校に点字教科書の無償配布が開始されました。  ただ、土埃が舞う室内で点字出版を続けるには限界があるので、近代的な建物が必要と、私たちは郵政省(当時)国際ボランティア貯金(以下、「ボランティア貯金」)の配分金を受けて、1991年にゴパール寺の境内に点字出版所を新築しました。外観は寺院建築そのものながら内部は近代的な装いで、機械整備に追われることもなく、大量の点字印刷物の作成が可能となりました。  点字出版所には、かなり重量のある機械設備を搬入するのだからと、設計の段階から建物の強度にはこだわったため、幸いこのたびの地震にもビクともしませんでした。  その後も、当協会による日本でのNAWB職員への訓練は3次にわたって行われ、JICA(国際協力機構)などの支援も受けて、点字出版のコンピュータ化も実現して、現在まで小学校1年から10年課程までの点字教科書の作成と供給事業が続けられています。  現在、NAWBが運営にタッチしている視覚障害教育校は75校です。これまでに作成した点字教科書は10万7,580セットで、現在の対象生徒数は3,000余人にのぼります。     統合教育校と奨学金事業  統合教育は、視覚障害児も晴眼児の兄弟姉妹が通う最寄りの学校に通学して勉強することが原則です。しかし、ネパールでその原則にこだわると、名ばかりの学校では教育の実をあげることができず、結果的に視覚障害児をスポイルすることになります。そこで、NAWBは地域ごとに教育設備のある公立校に寄宿舎を建設し、寄宿制統合教育を推進してきました。  当協会とNAWBが共同で事業を開始した統合教育校と、新築落成した寄宿舎は以下の3校で、寄宿舎が完成するまでは、教室やバラック建築を仮設の寄宿舎にして教育を行いました。以下の学校は、小学校1〜12年までの小・中・高校の一貫教育校です。  @ドゥマルワナ校(バラ郡):1993年に支援を開始し、ボランティア貯金の配分金を受けて1995年5月に寄宿舎が落成しました。  Aジュダ校(ロータート郡):1994年に支援を開始し、ボランティア貯金の配分金を受けて1999年7月に寄宿舎が落成しました。  Bシャンティ校(ルパンディヒ郡):1994年に支援を開始し、ボランティア貯金の配分金を受けて2000年5月に寄宿舎が落成しました。  以上、3校の寄宿舎には各20人、別途1995年から支援を開始したアマル・ジョティ・ジャンタ校(ゴルカ郡)には15人の計75人の視覚障害児童・生徒に対して、ボランティア貯金の配分金を受けて、教育費と寮費(食費・被服費等)、寄宿舎の光熱費、寮母や用務員の人件費を支出して、2000年度まで教育の機会を提供しました。  なお、アマル・ジョティ・ジャンタ校の校舎は今回の地震で全壊しましたが、寄宿舎は無事でした。  また、1994〜2001年度の8年間には、毎年全国の視覚障害教育担当教師をカトマンズのNAWB本部に集め、視覚障害教育法の質的向上を目的に、全国統合教育講習会を1週間前後のワークショップ形式で開催しました。  2005年度から2009年度の5年間は、毎日新聞東京社会事業団の寄託による「毎日奨学金事業」として、ネパール全土7校47人の視覚障害児に対して、教育費と寮費を提供する事業を行いました。そして、2010年度からは、この47人の視覚障害児に対して、ネパール政府から同額の奨学金が支給されるようになりました。  現在は、篤志家3氏による安達禮雄育英基金、正雄育英基金、順子女子育英基金を実施しており、19人の視覚障害児に教育費と寮費を2010年4月から給付しています。     統合教育の成果  ネパール社会の障害者に対する見方は、この30年で劇的に変わりました。以前は「盲人に教育など必要ない」という声が、あからさまに聞こえましたが、現在は次のような視覚障害者の社会進出と共に、そのような声はまったく聞こえなくなりました。  日本、インド、ネパールで博士号を取得した視覚障害3博士を頂点に、修士55 人、学士150人、そ れに10年課程の修了者は960人を数え、教員323人、大学講師5人、高級官僚3人を含む国家公務員9人、音楽家45人、その他の施設・団体職員等43人がいます。  ネパールの障害者ではじめて博士号を取得したのは、2003(平成15)年にトリブバン大学教育学部を卒業し、2007(平成19)年に筑波大学大学院修士課程を修了して東京大学博士課程に進み、2010(平成22)年に東京大学から学術博士号が授与されたカマル・ラミチャネ博士です。  彼はその後、日本学術振興会外国人特別研究員、JICA研究所研究員を歴任し、現在は筑波大学の准教授です。そして、昨年(2014年)の12月には、英国ケンブリッジ大学出版局から学術書(英文)を上梓しました。  彼は1981(昭和56)年にチトワン郡の農村で生まれ、10歳のときにカトマンズに出て小学校に入学したので、私たちの点字教科書製作・無償配布事業の恩恵を受けて成長した世代に属します。  もちろん、ここにいたるには、彼の努力と才能抜きにはあり得ないことです。しかし、少なくともネパールの統合教育が、視覚障害者を甘やかしてスポイルしてこなかったばかりか、その教育的質においても、限られた教育条件の中で奮闘して、なんとか確保してきたということはいえるでしょう。  このようなネパールの視覚障害者の現状ですが、以前は比較的簡単に就くことができた教職の道が狭き門になっていることなど不安材料もあります。  しかし、現在のNAWB会長である全盲のクマール・タパ氏を設立時の会長として、1993年に当事者団体のネパール盲人協会(NAB)が設立されました。そして、現在は全国に44の支部を持ち、約3,000人の会員を要するまでに発展しています。  こうして、先覚者がネパール社会の中で確固たる位置を占め、若い世代を確実にリードするまでに成長してきています。こうして、30年前の調査団が未来を展望して答申したことが実現することで、夢は現実のものとなったのです。 ●ネパールのユニークな試験  NAWBは、盲学校1校と統合教育校74校の427人の視覚障害児を対象に教育を行っています。  盲学校と統合教育モデル校3校の計4校では、わが国同様、点字の試験問題が作成・配布され、それに視覚障害児・生徒が点字で解答しています。  しかし、そのためには点字の試験問題を点訳する専門職員が必要で、むろん、それにはそれ相応の経費がかかります。  景勝地ポカラにあるアマルシン校もその4校のうちの1校で、とても設備が整っています。  昨年、ユニセフ親善大使でタレントの黒柳徹子さんから点字プリンター2台が寄贈されたということで、新品のそれを見せてもらいました。ただ、実際にはパソコンに接続されておらず、まだ1回も使われておらず、試験問題の点訳は従来同様、点字タイプライターで作成していました(写真)。  ところで、そのような予算がない他の約71校の統合教育校では、とてもユニークな試験方法をとっています。  試験を受ける視覚障害児より学年が下の晴眼児が問題を読み上げて、視覚障害児が口頭で答え、その晴眼児が答案用紙に墨字で記入するのです。  「下級生だから、試験が行われる問題の授業は受けていないので、下級生にその試験の問題はわかるはずがない。だから問題ない」というのですが、「本当にそうだろうか?」と大いに首をかしげました。 ●過酷な環境と5年ぶりの再会  シャンティ校のサリタさんと5年ぶりに再会しました。しばらく見ないうちに無邪気な子供が、すっかり落ち着いた少女に成長していました。  地方の統合教育校の訪問は、おおむね2年に1度の割合で行っています。この間にも、実は2回同校を訪問したのですが、1回目は寒波のため、2回目は濃霧のため休校で、3度目の正直で会うことができました。  カトマンズ盆地やネパール第2の都市で観光地のポカラは、気候も穏やかでインフラも整備され、タクシーもあり、日本の感覚で行動できます。  しかし、インド国境沿いのタライ平野は、夏は蒸し暑いため、この間の授業は午前6〜11時に行われ、カトマンズ市民を驚かせます。  しかも、カトマンズではちょっと考えられないことですが、酷暑に適合させた住居は冬は底冷えがして、零下にならないのに、死者が続出する過酷な環境なのです。 ●公平なSLC試験  今年(2015)の3月18日、インド東部ビハール州ハジプールの学校で、SLC(School Leaving Certification:学校教育修了)試験を受ける生徒の大規模な集団カンニングが横行していることがわかり、世界に衝撃を与えました。  それも受験生の家族らが大胆にも次々に校舎の外壁をよじ登り、2階や3階の窓越しに生徒にカンニングペーパーを渡す異様な様子が、地元テレビ局により放映されたのです。  同校では、これまでもカンニングが常態化していましたが、昨年までは平屋建てだったため目立ちませんでした。しかし、今年4階建てに校舎が立て替えられたため、とても目立つようになり発覚したのです。  同校は生徒1,600人に対し、教員はわずか14人で、試験科目である数学を教える教員はいません。SLC試験はその後の人生を左右する重要な試験であるため、貧困から抜け出すため、なりふり構わぬカンニングが横行しているのです。  今回のカンニング発覚により、3月21日までに生徒約600人が退学処分を受けました。  これまでネパールのSLC試験の問題点を幾度となく述べてきましたが、インドのカンニング事件を知り、ネパールの良い面に気づきました。  ネパールでは何によらず不正が横行する空気がありますが、少なくともこのSLC試験に限っては、インドのような不正は一切ありません。  SLC試験は、施設・設備、教員等、教育諸条件が不十分な地方の公立校の生徒にとっては、合格率20%の狭き門で、実際にアイアンゲート(鉄の門)と言われていますが、これは不正を許さないセキュリティの厳しさもあらわしているのです。  受験生はネパール全土で約40万人ですが、それに携わるセキュリティ関係者はなんと2万人近くもいます。  試験会場の学校の周りは、武装した兵士が厳重に警備しており、アリの這い出るすきもないほどです。  試験が終わると解答用紙は集められ、校長らが紙に包んで、紐でくくり、赤い封蝋を垂らして割印を押します。  それを数人の兵士が、厳重な警備が敷かれている郡教育事務所まで護送するのです。  そして、同じ郡の教師が採点すると不正が起こる要因となるので、その地から遠く離れた地域に運ばれて採点されるのです。 ●2014年度事業報告(平成26年4月1日〜平成27年3月31日)  ネパール盲人福祉協会(NAWB)の点字教科書発行を中心とした教育事業に対して、教科書や点字雑誌作成用の点字用紙や点字製本用材料等を提供して、事業継続のための側面的支援を行った。  当協会がネパールで実施する事業の支援者から寄せられた各200万円を基に設けられた安達禮雄育英基金、正雄育英基金、順子女子育英基金の3基金により、ネパール全土の統合教育校10校、合計19人の視覚障害児童・生徒に就学の機会を提供するため衣食住をもカバーする奨学金を給付した。  上記事業の管理等を行うため、2014年12月19日〜2015年1月1日の日程で福山博事務局長がネパールに出張した。この現地調査には、前・理事長の藤元節氏も自費で参加した。  本年度も、元NAWB事務局長のホーム・ナット・アルヤール氏にボランティアで協力してもらい、遅滞なく事業を進めることができた。  国内活動では、福山博事務局長が「障害分野NGO連絡会(JANNET)」の幹事として、障害分野における国際協力・交流事業に参画した。  事業報告集である『愛の光通信』を2014年7月(夏号・通巻42号)と2014年12月(冬号・通巻43号)を発行した。 ●2015年度事業計画(平成27年4月1日〜平成28年3月31日) 1. ネパール盲人福祉協会会長招聘事業  当協会が加盟する障害分野NGO連絡会(JANNET)と日本障害者リハビリテーション協会が共催する「第3回アジア太平洋CBR会議」が、アジア太平洋障害者センター(APCD)と世界保健機関(WHO)の協力、国際協力機構(JICA)と日本財団の後援で、本年9月1〜3日、新宿の京王プラザホテルにて開催される。  当協会は、ネパール盲人福祉協会(NAWB)と1989年から12年間バラCBR事業を展開してきた。また、NAWBはネパール国内でいまでも活発にCBR事業を展開しており、ネパールのNational CBR Networkの連絡事務所はNAWBの中にある。  そこで、日本盲人福祉委員会の助成金を受けて、全盲のNAWBタパ会長と、通訳を兼ねた介助者として前NAWB事務局長のホーム・ナット・アルヤール氏(ネパールにおける当協会ボランティア)を同会議に招聘するとともに、当協会にてタパ氏による講演会を開催する。 2. 育英基金事業  安達禮雄育英基金と正雄育英基金は小学1〜10年課程の男女の視覚障害児童・生徒を対象に、順子女子育英基金は小学1〜10年課程の女子の視覚障害児童・生徒を対象とした奨学金である。これらは寄付者、NAWB、当協会の3者が覚書を交換し、ネパール政府社会福祉協議会(SWC)に届け出ている事業である。この3事業が覚書に添って、滞りなく実施されるようモニターする。 3. フォローアップ事業  NAWBの点字教科書発行を中心とした事業に対して、フォローアップのための側面的支援を実施する。これは、当協会が長年実施してきた事業が無に帰さないように、平成16年度から継続して実施している事業である。 4. 国内事業  広報・募金活動は、NAWBから事業報告等が提出されることを条件に、『愛の光通信』を年2回発行し、例年通り実施する。  日本障害者リハビリテーション協会に事務所を置くJANNETの一員として、障害分野の国際協力を行う他施設・団体と情報交換・交流を深める。 ●第3回アジア太平洋CBR会議 http://www.apcbr2015.jp/jp/ ●クリシュナ基金から 長女・アルチャナと長男・ローシャンがSLC試験に合格 在カトマンズ・ボランティア ホーム・ナット・アルヤール  協会有志等が作ったクリシュナ基金は、突然死したNAWBバラCBRスタッフ(眼科助手)の遺児3名の教育を支援する事業で、10年前から実施してきましたが、長女アルチャナ・ムキーヤ(18)と長男ローシャン・ムキーヤ(16)は、今年の3月に10年課程を修了し、SLC試験を受けました。  本年の同試験は3月28日に終了し、6月の第1週に試験結果が発表される予定でしたが、「ネパール地震」の影響で2週間遅れて、6月19日(金)にOCE(試験管理事務所)から発表されました。  今年のSLC試験は40万5,338人が受験し、19万2,267人が合格したので、合格率は47.43%でした。そして、アルチャナは平均点61.00%、ローシャンは75.62%と共に、4段階評価で上から2番目の平均点が60〜79%のA(First Division)という優秀な成績で合格しました。  SLC試験の成績は、S(Distinction)80 %以上、A(First Division)60〜79%以上、B(Second Division)45〜59%以上、C(Third Division)32〜44%で、31%以下は不合格です。  2人は、匿名の篤志家の財政支援で、9月から日本の高校2・3年生に相当する+2の課程(Higher Secondary Education)に進学する予定です。2人ともSLC試験で「A」の成績だったので問題なく進学できると思われます。  彼らの母語ボジュプリー語はヒンズー語とはよく似ていますが、ネパール語とはまったく違う言語です。このため、彼らは10年前に学校の幼稚部に入学するときに、ヒンズー語は理解できたのですが、ネパール語はちんぷんかんぷんで、当初は泣きの涙で3人肩寄せ合っての寄宿舎生活でした。  しかも、学校内の共通語はネパール語ですが、ネパールの私立校は、国語であるネパール語の時間以外は英語で授業が行われるため、彼らは幼稚部を留年する憂き目に遭いました。そして、2度の飛び級により遅れを取り戻してきたのでした。  次女のプジャ(16)は現在8年生ですが、彼女も幼稚部での留年と、その後の飛び級を経験しています。  ところで日本国外務省の「諸外国・地域の学校情報」(平成26年11月更新情報)によれば、ネパールの高等学校9〜10年生の就学率は32.4%となっています。そして、晴れて10年課程を修了しても、SLC試験に合格しなければ卒業とは認められません。そして、その合格率は例年50%前後なので、ちょっと単純すぎるかもしれませんが、SLC試験合格者は同世代の16%前後なのではないでしょうか?  ちなみに、日本の1935年の旧制中学校、実業学校、高等女学校への進学率は18.5%だったそうなので、ネパールのSLC試験合格者もエリートコースということがいえるでしょう。 (写真)パートタイム教師のアルチャナ ●平成26(2014)年度 資金収支計算書 (自)平成26年4月1日 (至)平成27年3月31日 (単位:円) 社会福祉法人の会計基準が変わり、当法人は平成25年度決算から新たな社会福祉法人会計基準に移行しました。     (収入)  以下、勘定科目、予算(A)、決算(B)、差異(A)−(B)の順。単位は円です。 経常経費寄附金収入:950,000、961,414、△11,414。   経常経費寄附金収入:950,000、961,414、△11,414。 受取利息配当金収入:0、0、0   受取利息配当金収入:0、0、0。 その他の収入:0、0、0。 事業活動収入計(1):950,000、961,414、△11,414。 (支出)  以下、勘定科目、予算(A)、決算(B)、差異(A)−(B)の順。単位は円です。 人件費支出:120,000、120,000、0。   職員給料支出:120,000、120,000、0。 事業費支出:596,000、595,111、889。   海外援護費支出:300,000、300,000、0。   海外出張費支出:296,000、295,111、889。 事務費支出:204,000、199,126、4,874。   旅費交通費支出:7、0、0、0。   事務消耗品費支出:4,000、3,240、760。   印刷製本費支出:96,000、95,040、960。   通信運搬費支出:47,000、45,334、1,666。   手数料支出:22,000、20,512、1,488。   諸会費支出:35,000、35,000、0。   雑支出:0、0、0。 事業活動支出計(2):920,000、914,237、5,763。 事業活動資金収支差額(3=1−2):30,000、47,177、△17,177。 当期資金収支差額合計(4):30,000、47,177、△17,177。 前期末支払資金残高(5):2,762,175、2,762,175、0。 当期末支払資金残高(4+5):2,792,175、2,809,352、△17,177。 ●海外交流事業記録(2014/4〜2015/3)  2014年4月1日:NGOと企業の連携推進ネットワーク(早稲田奉仕園)  4月11日:JANNET財務・組織委員会(難民を助ける会)  5月19日:IAVI(国際視覚障害者援護協会)評議員会(船橋記念会館)  5月31日:JANNET役員会・総会・アジア太平洋CBR会議実行委員会(JICA地球ひろば国際会議場)  6月4日:JANNET財務・組織委員会(戸山サンライズ)  6月25日:盲ろう者協会セミナー(JICA東京別館セミナー室)  7月:『Light of Love(愛の光通信)』No.42発行  7月20日:筑波大附属視覚特別支援学校国際交流部来訪  9月12日:JANNET役員会(戸山サンライズ)  11月10日:JANNET財務・組織委員会(戸山サンライズ)  12月:『Light of Love(愛の光通信)』No.43発行  12月19日〜2015年1月1日:ネパール出張(福山)  1月17日:日盲社協『国際協力のパイオニアたち』編集会議(日本点字図書館)  1月29日:JANNET財務・組織委員会(戸山サンライズ)  2月27日:JANNET研究会(戸山サンライズ)  3月18日:IAVI評議員会(船橋記念会館)  3月24日:JANNET財務・組織委員会(戸山サンライズ) ●寄付者ご芳名(五十音順・敬称略)平成26年4月1日〜平成27年3月31日   温かいご支援ありがとうございました!   (個人) 青木貞子、阿佐博、安藤生、飯田光江、石井芳重、石田隆雄、植竹清孝、上野伊律子、上村小夜子 遠藤利三、大島秀夫、大橋東洋彦、岡本好司、小野塚耕吉、貝元利江、勝山良三、加藤万利子、金田敏子、苅安達男、川尻哲夫、 菊井維正、北原新之助、木塚泰弘、木村ちづ子、小泉周二、甲賀佳子、 古賀副武、小島亮、 後藤晴子、小長谷正夫、小森愛子、近藤光枝、 斎藤惇生、酒井久江、坂口廣光、坂齊勝男、佐々木信、指田忠司、 佐藤達夫、白井雅人、鈴木雅夫、染矢朝子、高橋恵子、橋秀治、 竹脇美帆子、田中徹二、田中正和、田村和凡、当津順子、当山啓、長岡英司、中嶋千代志、根本弘道、野津虎雄、林春枝、 林紘子、原田美男、富久縞博、間下勉、増野幸子、松浦健三、松下信雄、 御本正、宮下浩子、茂木幹央、森栄司、森山朝正、山本幸子、 吉田重子、ラマ・チャンドラ、渡辺直明、渡辺勇喜三、 T. F.   (団体等)  日本盲人福祉委員会、岐阜県立岐阜盲学校高等部生徒会、ネパール料理エベレストキッチン、有限会社大本印刷、園田鍼灸院、株式会社高垣商店、毎日新聞東京社会事業団 ●青唐辛子印発電機 KIRLOSKAR  カトマンズから西に240km、人口7万5,000人のブトワル市で、食事をとったごく庶民的なホテルの1階にあるネパール定食食堂の前に、白い巨大な箱が置いてありますが、これは発電機です。  ネパールはとにかく停電が多い、ほぼ毎日半日は停電だと思って間違いありません。そんなときに大活躍するのがこのグリーン・チリ(青唐辛子)印のキルロスカ・グループの発電機です。少なくともネパールではシェア1位でしょう。とにかくどこでもこの青唐辛子印を見かけます。  同グループはインドの中堅財閥で、トヨタと合弁でトヨタ・キルロスカ・モーターを設立して、トヨタ車をインドで生産してもいます。 ●手軽に海外送金  例えば日本からネパールの友人に、銀行から7,000円送金すると別途7,000円以上の手数料がかかる。しかし、ウエスタン・ユニオンから送金すると990円。日本で同社の黄色い看板を見かけることは少ないが、ネパールではとてもよく見かける。が、団体・企業宛の送金はできないのが玉に瑕。  ちなみに、送金の場合のみ、セブン・イレブンやファミリーマートでも代行してくれる。 ●ブティックホテルで朝食を  翌朝7時出発なので、ホテルのフロントにレストランは何時開店か聞くと、6時だという。しかし、翌朝6時に行ったら真っ暗。ここで大騒ぎしても食事ができるのは7時頃、全くの徒労である。  きっとこうなると思い、徒歩2分にブティックホテル「ロイヤルペンギン」があることはチェック済み。気持ちいいクイックサービスで、食事代も意外にリーズナブルで大満足であった。 ●募金のお願い  ネパールにおける視覚障害者支援、とくに教育の充実をはかるために募金をお願い致します。  寄付金のご送金は下記口座をご利用ください。 郵便振替:00150-5-91688 ●寄付金に対する減免税措置  東京ヘレン・ケラー協会は、所得税法施行令第217条第1項第5号に掲げる社会福祉法人です。当協会に対するご寄付は、所得税法第78条第2項第3号及び租税特別措置法第41条の18の3、法人税法第37条第1項及び第4項の規定が適用され、税法上の特典が受けられます。 ●編集後記  4月25日「ネパール地震」が起きたとき、私は職場から徒歩15分の戸山サンライズで会議中でした。▼友人からの連絡で、中座して職場からネパールの知り合いに電話をかけまくりましたが、電話が繋がっているという手ごたえさえ感じられませんでした。▼その夜、ネットで情報収集していたらNAWBに隣接する寺院が完全倒壊している写真付のニュースを見て、背筋が寒くなりました。▼翌日、次々と友人たちの安否確認ができましたが、我々が建設したNAWB点字出版所の安否は不明。▼結局、無事だったのですが、この時点では、NAWBの職員たちも次々起こる余震から自分や家族の身を守ることに汲々としていたようでした。(H・F) 発行:社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会海外盲人交流事業事務局 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-4 TEL : 03-3200-1310 FAX : 03-3200-2582 http://www.thka.jp/ E-mail: XLY06755@nifty.com  ※迷惑メールが増えています。当協会宛のメールには、適切な「件名」をお書き添えください。