東京ヘレン・ケラー協会会報『青い鳥(L'Oiseau bleu)』 第38号 2021年7月7日発行 発行人:奥村博史 編集人:塚本泉 製作:広報委員会 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会(Established in 1950) 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-20 本部、ヘレン・ケラー学院 電話 03(3200)0525 FAX 03(3200)0608 点字図書館 電話 03(3200)0987 FAX 03(3200)0982 点字出版所、盲人用具センター、海外盲人事業交流事務局 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-4 電話 03(3200)1310 FAX 03(3200)2582 ●新業務執行理事、点字出版所長に塚本泉(つかもと・いずみ)元毎日新聞社内部監査室委員  東京ヘレン・ケラー協会は6月11日、定時評議員会(2021年度第1回)を開き、2020年度事業報告および決算報告のほか、定款第1条に「障害福祉サービス事業の経営」を追加する議案など、いずれも原案通り承認された。  また、任期満了に伴う理事、監事の選任について審議し、福山博理事(業務執行理事)と多久島耕治監事が退任し、新理事には元毎日新聞社・毎日新聞グループホールディングス内部監査室委員の塚本泉氏が、新監事には弁護士の岩ア雄大氏が、それぞれ全会一致で選任された。  その他の理事5名と監事1名は重任となった。  続いて同日、理事会(2021年度第2回)が開かれ、奥村博史理事が理事長に再選され、塚本氏が業務執行理事に選定された。評議員会に先立つ5月25日の理事会(2021年度第1回)で、退任の意向を示していた福山氏の後任として、塚本氏が点字出版所長に選任されていた。  塚本氏は埼玉県出身の64歳。1982年、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業し毎日新聞社に入社。中部本社報道部、東京本社社会部、地方部副部長、水戸支局長(部長職)、同本社代表室委員、毎日新聞社・毎日新聞グループホールディングス内部監査室委員などを歴任。定年後、キャリアスタッフとして同本社編集編成局に勤務し6月30日付で退社した。 ●サポートの心と大切さを肝に銘じて ―― 業務執行理事、点字出版所長就任にあたって ―― 塚本泉  この度、東京ヘレン・ケラー協会の業務執行理事および点字出版所長を務めることになりました。  先日、就任準備のため協会へ向かうにあたり、高田馬場・早稲田周辺を相当久しぶりに歩きました。所々で再開発されていく街の様子、マスク姿で行き交う学生たちの姿などを見ていて、この世は絶え間なく変化し続けているという意味で「諸行無常」の言葉が思い浮かびました。  社会福祉と点字関係の業務に携わるのは初めてです。神奈川県藤沢市を担当していた頃に伺った二つの展示会を思い出しました。元盲学校の美術教諭の方は、1枚の木の板から人形やおもちゃを切り抜いて組み合わせる「組み木」作りに退職後も取り組み、作品展を開いて「目の不自由な子供たちも手で触って木のぬくもりを知り、遊び、作る楽しさを知ってほしい」との願いを込めていました。  また、全ての作品に触れて楽しんでもらおう、と彫刻家有志が協力して企画する「触れてみる彫刻展」では、訪れた全盲の高齢男性が「これだけゆっくり触れると、幸せな気持ちになれる」と笑顔を見せていました。見えなくても手で触れ、耳で聞き、楽しみ、学ぶことができる、そのためにできることをする、という方々の心意気に触れ、支援の大切さを痛感しました。  駅や街で白杖を持った方が立ち尽くす姿などを見て、声掛けをすることがあります。スムーズに誘導できた時もある一方、意思疎通などがうまくいかず、普通なら十数分で行ける所を行ったり来たりして小1時間もかかってしまう失態を演じたこともありますが、「ありがとう」の一言に救われます。今回、協会主催の「同行援護従業者養成研修」を受講する機会も得て、視覚障害者の外出支援の知識や技術を基本から学び、今後の日常のサポートや業務に役立てていく所存です。  社会福祉や協会を取り巻く環境は厳しくなり、課題も抱えていると聞いています。新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいますが、「コロナ禍」と呼ばれるさまざまな社会不安の問題の収束にも、まだ時間がかかりそうです。  協会の名誉総裁であるヘレン・ケラー女史は「盲目であることは悲しいことです。けれど、目が見えるのに見ようとしないのは、もっと悲しいことです」と言われたそうです。こうした厳しい社会状況下ですが、障害のある方々が「諸行無情」と嘆く世にならないように、しっかりと目を見開いて、サポートの心の大切さを忘れないよう肝に銘じて業務に取り組み、協会と皆さんのお役に立てればとの思いを強くしています。  どうぞよろしくお願いいたします。 ●理事・監事・評議員紹介     理事  奥村博史 東京ヘレン・ケラー協会理事長  塚本泉 東京ヘレン・ケラー協会点字出版所長  横山晴夫 (株)ワールドスチューデントヴィレッジ代表取締役、NPO法人共生ネットワーク理事長  楯香津美 弁護士、青山学院常務理事  渡部聡 (公財)毎日新聞東京社会事業団常務理事  松上文彦 元毎日新聞紙面審査委員長・編集局次長     監事  岩ア雄大 弁護士  稲山輝機 元毎日新聞社専務取締役     評議員  加藤美代子 元トーア早稲田マンション自治会長  山内修 元浜市立盲学校長、元ヘレン・ケラー学院専任講師  長岡英司 (福)日本点字図書館館長  渡邊武松 ヘレン・ケラー学院同窓会会長  鈴木武夫 元東京都福祉保健局障害福祉部計画課長、元医療法人財団綜友会理事長  長岡雄一 (福)日本盲人社会福祉施設協議会理事長  君島淳二 (福)日本障害者リハビリテーション協会常務理事 ●2020(令和2)年度卒業式  ヘレン・ケラー学院は3月19日(金)午前10時から令和2年度卒業式・修了式・終業式を行った。ただしコロナ禍により来賓は招待せず、学生と教職員のみの挙行となった。卒業生は高等課程6名。これに高等課程3年修了生1名が加わり、計7名に奥村博史学院長から卒業証書、修了証書が授与された。つづいて、1年間の学業成績優秀者に贈る優等賞が6名に、努力賞が2名に贈られた。  今年度は、同窓会長賞および一色賞の該当者はいなかったが、同窓会からは記念品のパスケースが、学院からは手ぬぐいが卒業生に贈られた。  学院長式辞の後、15年講師として教壇に立たれた木村愛子先生と、40年講師として教壇に立たれた千葉一郎先生が退職されるため、ご挨拶をいただいた後、学生代表から花束と記念品が贈呈された。また、当日の参列はかなわなかったが、19年講師として教壇に立たれた白木幸一先生が退任されたことを学院長が報告した。  最後に、卒業生を代表して高等課程5年の金光良洪(かねみつ・よしひろ)さんが「患者様が100人いたら100通りのその人にあった施術がある。そのためにはいくつになっても新しい知識、技術を学ばなければならないという姿勢を受け継ぎ、治療家として邁進していきたい」と答辞を述べ、たくさんの拍手に送られて会場をあとにした。 ●2021(令和3)年度始業式  令和3年4月7日(水)午前9時50分より始業式が挙行された。  今年度より新入生の受け入れを停止したことから、第4学年への編入学生1名を加えた在校生2年生から5年生の14名での新たなスタートを迎えた。  各クラスの新担任と専任講師が紹介された。コロナ禍で恒例の校歌斉唱やヘレン・ケラーの歌「幸福の青い鳥」の合唱は自粛した。  昨年度に続き外来患者に対する臨床実習の見通しはたたないが、個々の目標を掲げて、それを少しでも達成できるよう実りある1年にして欲しいと願うばかりである。 ●2020(令和2)年度事業報告 【協会本部】  2020(令和3)年は協会の前身の一つである(財)東京盲人会館設立から80周年、(財)東日本ヘレン・ケラー財団設立から70周年にあたるので、記念誌『視覚障害者とともに 創基80周年/設立70周年 東京ヘレン・ケラー協会のあゆみ』を刊行し関係者や関係施設に配布した。  コロナ禍のため第70回へレン・ケラー記念音楽コンクールは中止した。  各拠点の電話回線とインターネット回線について、セキュリティを強化するなどして再構築し、一体化し、全電話機も一新した。  就労継続支援B型事業所の2022(令和4)年開設に向け、都など関係機関との協議を継続した。 【ヘレン・ケラー学院】  2020(令和2)年度の学生総数は19人だった。内訳は高等課程(5年制)14人(1年生2人、2年生4人、3年生1人、4年生1人、5年生6人)、専門課程(3年制)5人(1年生1人、2年生4人)。  卒業生・修了生は7人で、内訳は高等課程の3年修了生1人、5年卒業生6人。卒業生・修了生は、延べ1,968人となった。  閉校に向け新入生募集は行わなかった。高等課程4年生に1人が編入し、2021(令和3)年度当初の学生総数は14人となる。  第29回国家試験で、あん摩マッサージ指圧師に現役1人、既卒者4人が受験し、現役1人既卒者1人が合格した。はり師・きゅう師は現役6人、既卒者3人が受験し、現役4人、既卒者2人が合格した。 【同行援護従業者養成研修事業】  コロナ禍により年間計画5回のところ2回実施し、定員も36人のところ16人に削減し、合計31人が修了した。 【点字図書館】  2020(令和2)年度の自館製作図書のタイトル数は前年比で、点字図書が4タイトルの減少、デイジー図書は2タイトルの増加となった。貸出タイトル数では前年比で、点字図書は10%減、テープ図書28%減、デイジー図書7%減となった。  2020年度にサピエ図書館へ登録したコンテンツは点字データが89タイトル279巻、音声デイジーコンテンツは36タイトル430時間だった。また当館登録コンテンツの年間利用状況は、点字データが1,330タイトル4,558巻(延べ利用者数6,478人)、音声デイジーコンテンツが259タイトル2,648時間(延べ利用者数10,186人)だった。 【点字出版所】  東京都知事選の「点字選挙公報」を受託して製作・納品した。文部科学省著作点字教科書視覚特別支援学校中学部『道徳』を受託して製作・納品した。また同『歴史』を受託して、前期発行分を製作・納品した。視覚特別支援学校中学部用一般図書扱いの教科書(附則9条本)『技術・家庭』を製作・発行した。 【盲人用具センター】  日本点字図書館に音声血圧計を卸し、同館から白杖、携帯型点字器等を仕入れ、日本視覚障害者団体連合からは音声体温計等を仕入れ、顧客の幅広い要望に応えた。 【海外盲人交流事業】  ネパール盲人福祉協会(NAWB)の点字教科書発行を中心とした事業に対して、側面的支援を実施した。正雄・順子女子・安達禮雄育英基金による奨学金給付事業を実施した。CVID-19が猖獗を極めたため、ネパール出張は中止した。 ●2021(令和3)年度事業計画 【協会本部】  障害者総合支援法に基づく就労継続支援B型事業所の2022(令和4)年度開設に向け、既に関係機関と具体的な協議に入っているが、2021(令和3)年度は定款の変更や各種手続きをはじめ、必要な改築の実施など、準備の仕上げを行う。 11月13日(土)に、第71回ヘレン・ケラー記念音楽コンクールを東京都文京区のトッパンホールで開催する。 【ヘレン・ケラー学院】  2021(令和3)年度の学生数は2年生3人、3年生8人、4年生2人(うち1人編入)、5年生1人の計14人の見通しである。  コロナ禍で外部の患者を受け入れなかったため、2020(令和2)年度卒業生に関し、一定の条件を課したうえで臨床実習の授業参加を許可する。 【同行援護従業者養成研修事業】  2021(令和3)年度の研修は計5回計画し、約100人の参加者を見込んでいる。 【点字図書館】 点字・録音図書の製作体制の見直しを図り、迅速な製作と質的向上を目指す。とくに医学関連図書の製作に重点を置き、あはき師国家資格取得を目指す学生に対しては、資料製作による学習支援に努める。  音訳ボランティア養成講習を開催し、新規ボランティアの確保を図る。また、活動中の点訳・音訳ボランティアを対象に勉強会を開催し技術向上に努める。 【点字出版所】  7月4日に都議会議員選挙が執行されるので、選挙公報点字版を遅滞なく発行できるよう尽力する。  衆議院議員の任期満了日は10月21日なので、日本盲人福祉委員会視覚障害者選挙情報支援プロジェクトの一員として、それまでに必ず執行される衆議院議員総選挙の選挙公報点字版と同音声版を製作する。 【盲人用具センター】  学院・図書館を通して、アフターケアを十分に行い在校生との関係性を維持しつつ、日常生活用具等の普及をはかる。 【海外盲人交流事業】  NAWBの点字教科書発行を中心とした事業に対して側面的支援を実施するとともに、継続事業である正雄・順子女子・安達禮雄育英基金の3基金による奨学金給付事業の事業管理を行う。このため年末にネパールへ出張する。 ●資金収支計算書(ホームページをご覧ください) (省略) ●事業活動計算書(ホームページをご覧ください) (省略) ●貸借対照表(ホームページをご覧ください) (省略) ●愛の光通信(LIGHT OF LOVE) No.56 2021.7 夏号・Summer  海外盲人交流事業事務局が年に2回発行する『愛の光通信(LIGHT OF LOVE)』は下記からダウンロードして読むことができます。https://www.thka.jp/kaigai/reports.html ●2020(令和2)年度ご寄附者名簿 令和2年4月1日〜令和3年3月31日 五十音順(個人団体の順)・敬称略 温かいご支援ありがとうございました! 【本部扱い】 一般寄付:稲山輝機、坂本留美、藤岡博、松田弘之、村本拓也、毛利多榮、Paul A.S. HARVEY、匿名希望2名 【ヘレン・ケラー学院扱い】 賛助会員:新井定一、牛窪多喜男、金谷紫之、金輪孝幸、小林貴大、坂本留美、桜井茂、清水ひろみ、杉本勝、三原美加 一般寄付:(一財)一枝のゆめ財団、湯江修道院、青木秀則、秋本勇、新井定一、石川晶夫、石川照子、稲見常夫・久美子、乾法行、今泉新治、植田員弘、大島千恵子、大修、金井定春、金子宏、金崎好江、神田敏男、木村きよ子、工藤博史、黒岩康孝、黒沢絵美、江津正一、小谷政夫、坂田和民、佐藤清、佐藤まどか、佐野雄彦、杉田安男、鈴木旭、鈴木房江、須藤憲一、平光子、田中茂、玉住博、当津純一、徳田好美、中村文孝、根本博行、早川美奈子、星野博子、松井茂・はるみ、三浦真人、三原美加、森田正春、矢作俊一、山崎登志夫、山屋晃、横山勝幸、若鍋よし子、渡辺武松 【点字図書館扱い】  賛助会員:磯崎治子、内田一夫、片山恭子、小柳紀男、小山幸佑、斎藤紀年夫、白木幸一、鈴木由紀、須藤憲一、楯香津美、田中秀臣、田中雄二、戸沼京子、畑千尋、原田秀夫、坂西ひとみ、福島ふさ子、古川雄、堀口俊二、宮本牧子、村上工、室岡見致、山内経、山田真理子、米田日出明  一般寄附:青木素子、秋山由美子、市角誠、出田敦子、井上喜子男、岩野英夫、宇田勉、岡和江、岡昌彦、岡真澄、笠井実、金光良洪、北岸保郎、酒井町子、佐子田信夫、塩田和夫、白川恵美子、鈴木健夫、鈴木由紀、田澤芳行、田村徳章・みどり、長屋舞、西田健治、二瓶幸子、長谷川あけみ、林武男、日栄子、平野邦雄、福島久仁子、藤田ひろ子、古川裕子、星義、本間みさ子、正木研、松田恵子、松田千冨美、三上貴之、村瀬幸子、森明彦、柳崎秀夫、山ア洋子、山道広子、渡辺武松 【点字出版所扱い】  一般寄附:池田義明、杉田安男、橋本せつ子 【海外盲人交流事業事務局扱い】  一般寄附:青木貞子、朝妻洋子、安達麗子、在田一則、安藤生、石田隆雄、岩屋芳夫、植竹清孝、上野伊律子、遠藤利三、大垣内勇、大橋東洋彦、岡本好司、貝元利江、勝山良三、加藤武司、加藤万利子、川尻哲夫、川田孝子、菊井維正、楠本睦子、黒見恵美子、小泉周二、甲賀佳子、肥塚美和子、古賀副武、小島亮、小長谷厚子、小林義文、小林良子、小森愛子、近藤光枝、斎藤惇生、酒井久江、坂入操、坂本留美、佐々木信、佐藤達夫、白井雅人、杉沢宏、鈴木洋子、高橋恵子、竹中千雄、田中正和、田村栄子、當津純一、鳥山由子、長岡英司、生井良一、新阜義弘、野津虎雄、長谷川ミユキ、林紘子、原田美男、樋渡敏也、富久縞博、本間昭雄、前山博、増野幸子、松井繁、三宅正太郎、宮下浩子、茂木幹央、森栄司、森山朝正、山田あき子、横大路俊久、渡辺勇喜三、NPO法人点訳・音声訳集団一歩の会、小林動物病院、学校法人聖明学園古和釜幼稚園、有限会社ヤマオー事務機 ●助成事業報告  下記の通りご助成を受けて、完了いたしました。  ご支援、まことにありがとうございました。  公益財団法人さわやか福祉財団 一、実習室用加湿空気清浄機×8台 一、総事業費 155,800円 一、助成額 150,000円 一、完了年月日 令和2年12月14日  公益財団法人愛恵福祉支援財団 一、教室用加湿空気清浄機×7台 一、総事業費 271,600円 一、助成額 200,000円 一、完了年月日 令和3年2月1日  公益財団法人東京都私学財団 一、私立学校新型コロナウイルス感染症対策事業費助成金 一、助成額 609,000円 一、完了年月日 令和3年2月4日 ※ 感染症対策に必要な消耗品・備品  公益財団法人タチバナ財団 一、セラミック電気温灸器×3台 一、総事業費 201,300円 一、助成額 200,000円 一、完了年月日 令和3年4月22日  公益財団法人洲崎福祉財団 一、就労継続支援B型事業所開業に係る人件費   および事業費の助成 一、助成期間 3年 一、初年度助成額 3,100,000円 一、初年度完了年月日 令和4年5月31日  公益財団法人森村豊明会 一、就労継続支援B型事業所開業に向けての   防火戸の設置 一、総事業費 4,180,000円 一、助成額 3,000,000円 一、完了年月日 令和3年8月25日  以上の執行は、すべてヘレン・ケラー学院  公益信託久保記念点字図書援助基金 一、立体コピー作成機および視覚障害模擬体験   レンズの購入 一、総事業費 308,000円 一、助成額 300,000円 一、完了年月日 令和3年3月30日  執行 東京ヘレン・ケラー協会点字図書館 ●第71回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール開催します  「第71回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」を2021年11月13日(土)午前10時から、東京都文京区の「トッパンホール」にて開催します。  今回のヘレン・ケラー記念音楽コンクールは、2020(令和2)年11月13日(土)に厚生労働省発表の感染症対策基本方針、および東京都新型コロナウイルス感染症対策条例ガイドラインに則り開催を予定しておりますが、当日の運営方法などについては参加者の安全を最優先して、感染拡大状況に応じて、適宜、開催方針を変更する場合があります。  本音楽コンクール参加を希望する方は、ホームページをご確認のうえお申込みください。  社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会ヘレン・ケラー記念音楽コンクール係 Tel:03-3200-0525 E-mail:onkon@thka.jp ●藤原章生著 『ぶらっとヒマラヤ』 絶讃発売中!  『点字ジャーナル』に11年以上にわたって連載している藤原氏の新著『ぶらっとヒマラヤ』が毎日新聞出版から税別1,300円で発売された。  2019年の秋に2ヶ月間、ネパール・ヒマラヤのダウラギリT峰(8,167m)に登山に行った毎日新聞藤原章生記者は、8,000mの高所で、老い・恐怖・死、そして生について考えた。ローマ在住の歴史作家で随筆家の塩野七生氏推薦。 ●電話・インターネット設備の更新  従来は協会全体で電話2回線を使っており、学院・図書館と点字出版所の電話システムは別だった。このため、例えば点字出版所編集課への用件の電話が、ヘレン・ケラー学院にかかってきたら、点字出版所の電話番号を伝えて、かけ直してもらう必要があり、同一法人内であるにもかかわらず外部の方に不便をおかけしていた。  2021(令和3)年度に双方の電話の契約更新時期が重なることがわかり、これを機に一本化することにし、新システムにより協会全体で統一した電話回線を導入することにした。  一方、インターネット回線は、従来は協会全体で3回線使っており、そのうちの2回線は点字出版所が使っていた。これは過去にNTT東日本のデジタル回線INSネット(ISDN)からフレッツ光回線に早急に切り替えなければならなかった事情があり、暫定的に工事を行ったためである。  そこでこの際、セキュリティを強化した新システムにより協会全体を1回線に統一し、あわせて合理化することにした。  当初はNTT東日本の都合で4月以降の工事予定だったが、相見積をとった(株)大塚商会の方がNTTの電話機を使うにもかかわらず格安で、3月でも工事が可能だということが決め手となった。  まず3月7日に点字出版所が入居する毎日新聞社早稲田別館(別館)から学院本館の屋外配線工事と、学院本館の屋根裏を通す屋内配線工事、別館1階と3階の屋内配線工事、別館3階と協会新館3階から同1階までの屋内配線工事を行った。そして3月13日(土)に主装置を設置し、各電話機と接続して各種設定を行い無事終了した。 ●水道メータかさ上げ工事と漏水管の修理工事  4月14日、早稲田別館脇に埋めてある水道管から漏水があると通報があり、東京都水道局が調査にきた。  現場は協会と早稲田別館の間で、水道局の職員が、棒のような検査器具で、漏水箇所を発見した。  漏水箇所は掘ってみないとピンポイントでは特定できないが、明治通りから見て、別館の半分より手前に排水枡があるので、その周辺とのことだった。  その説明の中で、無視できない指摘があった。当協会の新館前に水道メータがあるが、通常より深いところにあるので、かさ上げするようにとの指摘である。そうしないと、漏水を修理した本管を接続できないというのである。  なんと1973年4月に竣工した新館建設時に建設業者が勝手に行った工事の後始末を、48年後に行うことになったのだ。  費用はメータのかさあげ工事は協会負担で、漏水管修理工事は東京都水道局負担になった。そして、4月24日に比較的簡単な水道メータのかさ上げ工事が行われた後、重機を使った本格的な漏水管修理工事が30日に行われた。 ●『協会のあゆみ』データ版発行のお知らせ  小紙前号でお知らせしたように、当協会は2020年で、創基80周年/設立70周年で、これを記念して墨字冊子による『視覚障害者とともに 創基80周年/設立70周年 東京ヘレン・ケラー協会のあゆみ』を発行し、関係者・施設・団体に配布した。その後、同点字版、テキスト版、PDF版も製作しCDにまとめるとともに、協会のホームページからダウンロードして読むことができるようにした。さらにサピエ図書館からも点字版をダウンロードすることができるので、「東京ヘレン・ケラー協会のあゆみ」で検索していただきたい。(https://www.thka.jp/about/history.html)  サピエ図書館からは、20年前に協会が発行した『視覚障害者とともに50年』の点字版もダウンロードして読むことができるが、『協会のあゆみ』と比較すると同一でなければならない固有名詞等が一部異なっている。例えば「米通信社UP極東支配人マイルズ・ヴオーン」の名は、『協会のあゆみ』では「マイルス・ボーン」とした。国際報道に貢献したジャーナリストを表彰する「ボーン・上田記念国際記者賞」にその名を残しているので、現在の新聞で紹介される一般的な書き方にそろえたのだ。このように異なっている場合は、『協会のあゆみ』を優先していただければ幸いである。 ●点字出版所 人事 ◇採用 <3月1日付> 録音課・加藤佳菜 <4月1日付> 録音課・石本菜織 <4月1日付> 印刷課・三浦慶介 ◇昇任 <6月1日付> 総務課長・立花雄大 <6月1日付> 印刷課長・古澤光江 ●編集後記  業務執行理事を退任しましたので、今号から広報委員長は、塚本泉業務執行理事に交代しました。広報委員長は慣例により常務理事/業務執行理事が就任することになっているためです。しかしながら新業務執行理事の就任は7月1日付であるため、本号の編集は私(福山)が担当しました。  この1年半、当協会も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にすっかり振り回され、それぞれの部署で徹底した感染対策を行いました。このため、昨年は当協会の「創基80周年/設立70周年」という節目の年であったにもかかわらず、多くの業務を自粛せざるを得ませんでした。  私は66歳で高齢者ということもあり、5月28日に1回目の新型コロナワクチン接種を、7月2日に2回目を行うことができました。  集団免疫を得るために必要な免疫を持つ人の割合は、COVID-19 の場合は最低でも60〜70%が必要とみられており、その実現にはまだ時間がかかりそうです。  今春、当協会のネパール事業のパートナーであるネパール盲人福祉協会(NAWB)幹部職員2人とボランティアの夫婦2人がCOVID-19に罹患しました。ネパールは完全に医療崩壊しているため、この4人は医師による手当てを受けることなく自宅隔離だけで自然治癒しました。それは4人が、新型コロナワクチンを少なくとも1回は接種していたからです。わが国でもワクチン接種が飛躍的に進むことを願うばかりです。(福山博) 広報委員会 委員長:塚本泉(業務執行理事・点字出版所長) 委員:福山博(点字出版所製版課) 委員:大久保美智子(ヘレン・ケラー学院) 委員:戸塚辰永(点字出版所編集課) 委員:佐久間朋(点字出版所製版課) 委員:和泉枝里(点字図書館) --------- “視覚障害者と共に” 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会 ホームページもご覧ください。 https://www.thka.jp ----------