東京ヘレン・ケラー協会会報 青い鳥 第12号 2008年6月26日発行 発行人:藤元 節 編集:広報委員会 社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会                      〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-20 本部、ヘレン・ケラー学院 電話 03(3200)0525 FAX 03(3200)0608 点字図書館 電話 03(3200)0987 FAX 03(3200)0982 点字出版所・盲人用具センター・海外盲人事業交流事務局 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-4 電話 03(3200)1310 FAX 03(3200)2582 -------------------------------------------------- インデックス: ●賛助会員制度がスタート ●学院 新天地めざし12人が巣立つ ●躍進、あマ指師100%合格 ●ヘレンケラー・サリバン賞 ●再生の道筋を確かなものに 協会理事長重任に当たって ●今年の音コンは勤労感謝の日に ●平成19年度事業報告 ●平成20年度事業計画 ●日韓の障害音楽家 深い感動を残して交流 ●点字出版所に強力援軍 リソグラフを導入 ●点字図書館3年ぶりに音訳講習会を開催 ●期待ふくらむ新型印刷機 ●「法廷用語ハンドブック」点字版7月1日発行 ●「見えない・見えにくい人のための学習相談会」開く -------------------------------------------------- ●賛助会員制度がスタート   積極的な支援求め、組織を活性化  東京ヘレン・ケラー協会は今年1月に新たに賛助会員規程を設け、4月から賛助会員の募集を開始した。これまで協会は多くの方の善意の寄付金と、各種助成によって施設整備の資金を得るという受け身に終始し、積極的な募金活動を行ってこなかった。しかし、厳しい財政事情から設備改善、新たな事業の開始や質の高いサービスの提供など視覚障害者への十分な支援が取りにくくなり、外部理事からも社会福祉法人としての機能を全うするためには確実な収入の道を探ることが重要だという指摘を受けていた。そこで年初に新たに規程を作り、賛助会員の呼びかけを始めたのである。  まず4月に点字図書館で始めた呼びかけには、多くの図書館利用者が呼応、さらにボランティア等も支援の輪に加わって賛助会員に進んで登録してくれた。もちろん賛助会員にはならないまでも、寄付の形で応えてくれる方々も大勢おり、協会が積極的に動けば熱意は必ず伝わることを実感した。点字図書館の呼びかけは一段落したので、引き続き、ヘレン・ケラー学院と点字出版所で呼びかけ運動がはじまる。それぞれの施設で事業に対する理解と協力を求めて地道な声かけを進めていく。  当協会の賛助会員制度は個人と法人がある。個人会員は年額1口3,000円、法人会員は同1口5万円としており、口数に制限はない。協会発行の振込用紙を使用すると、振込料は当方負担となるので是非利用願いたい。なお、社会福祉法人への賛助金(寄付金)は税法上の特典を受けることができる。  ゆうちょ銀行振替口座:00120−4−168739  口座名:社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会 ●学院 新天地めざし12人が巣立つ  ヘレン・ケラー学院は3月17日、平成19年度卒業式・第3学期終業式を3階ホールで行った。  5年課程の1人と3年課程の11人の計12人に卒業証書、5年課程の4人に修了証書が授与されたあと、根本芳枝さん(5年)、植田員弘さん(3年)、坂田和民さん(同)、大橋伸明さん(2年)と5年課程2年の6人全員の計10人に優等賞、秋本勇さん(3年)と木寺セツ子さん(同)に努力賞、坂田和民さん(同)に同窓会長賞が贈られた=写真。  藤元学院長が「ヘレン・ケラー女史は『太陽が見える人が幸せとは限らない。大切なことは心に光を見出すことです』と言っています。学院は、皆さんがチャレンジする意欲を失わない限り、最大限の支援を続けます」と式辞を述べた。続いて、来賓の祝辞、枝木幹寛学友会長の送辞、坂田和民さん(3年)の答辞があり、「蛍の光」の合唱で式を閉じた。 ●躍進、あマ指師100%合格  今年の国試 がんばった現役受験生 今年2月24、25の両日行われた第16回国家試験の結果が3月25日発表され、ヘレン・ケラー学院は国試に移行して以来、最高の成績を収めた。 現役は、あん摩マッサージ指圧師に5年課程3人、3年課程11人の計14人が受験して全員合格、はり師、きゅう師とも5年課程1人、3年課程8人の計9人が受験して3年課程の1人を除く8人が合格した(合格率89%)。首都圏の1都3県の大学、盲学校など12施設の中でも、東京都立文京盲、筑波技大に次ぐ高ランクに躍進したことになる。全国の視覚障害者の現役合格率は、あマ指師89%、は師73%、き師72%だった。講師陣の献身的な指導と、これに応えてスパートをかけた学生たちの努力の賜物である。 ●ヘレンケラー・サリバン賞   李勝彦氏に表彰状とトロフィー  第15回ヘレンケラー・サリバン賞の贈賞式が、1月18日午後4時半から、協会ホールで開催された。本紙前号(2007年12月18日号、通巻第11号)で既報のとおり、2007年度の同賞は、昨年9月、中国・天津市視覚障害者日本語訓練学校の李勝彦校長に贈ることが決まった。しかし、「12月に中国で国際交流基金が実施する日本語能力試験があるので、それまでは学校を留守にできない」との同校長の意向で、贈賞式はこの日まで延期されてきた。  式典では、当協会が委嘱した選考委員会を代表して田中徹二委員長(日本点字図書館理事長)が、選考結果を発表。李校長に表彰状と共に、ヘレン・ケラー女史の直筆サインを刻印したクリスタルトロフィーが贈られた=写真。  同日午後6時半からは、会場を早稲田のアバコ「ヴィラ・フェリーチェ」に移して、受賞祝賀会が挙行された。この宴は、遠路お越しいただいた李先生の歓迎のため、直居鐵国際視覚障害者援護協会理事長を世話人代表に、笹川吉彦日本盲人福祉委員会理事長を中心とした視覚障害者の国際協力事業関係者が呼びかけたもの。当日の参加者は、8人がけの7テーブルがちょうど満席になる56人で、大盛況となった。 ●再生の道筋を確かなものに   協会理事長重任に当たって 藤元 節  協会を支える「3本の矢」のうち、点字図書館が昨年度で、独り立ちのメドがつきました。本年度は点字出版所が経営改善中期計画の2年目に入り、ヘレン・ケラー学院は再生5年計画をスタートさせたところです。点字出版所は計画最終年度の来年度に安定軌道に乗せるために、今年が正念場になります。学院は学生数37人の本年度を 「底」とし、平成24年度には50人のライン近くまで引き上げる計画です。 3本の矢は、それぞれの施設が単独で努力するだけでは目標に到達できません。効率よく事業を進めるための要員配置の見直しと「3本の矢」の特性を生かした新たな事業展開を図ることが不可欠だと思います。視覚障害者のニーズに応えることができるよう、事業を継続・発展させるには、そのような協会全体の総合力に加えて、広く資金的バックアップをいただくほかないと考え、賛助会員制度を創設しました。  理事長として既に3年、役員のみなさまの数々のご助言、職員の献身的な努力に応えることのできるような結果を出せないままです。にもかかわらず、このたび、「あと1期に限って」理事長の重任をお受けし、3月の理事会で復活した常務理事にご就任いただいた石原尚樹さんの続投をはじめ、別項のような役員・評議員体制で、新たな航海に乗り出しました。私の任務は、協会再生の道筋を確かなものにし、「2年以内のできるだけ早い機会に」バトンタッチすることと心得ています。理事会でもお約束したことですが、あとで「空白の○年」と言われることのないよう微力を尽くしたいと思いますので、ご指導、ご支援の程、よろしくお願いいたします。    東京ヘレン・ケラー協会人事 常務理事を復活  5月23日の理事会で評議員、評議員会で理事、監事、6月12日の理事会で理事長、常務理事の各改選を行い、次の通り決定した(敬称略)。任期は6月12日から2年間。  理事長 藤元節▽常務理事 石原尚樹▽理事 佐藤次朗、鈴木可人、三浦拓也、森野亮一(以上評議員兼任)▽監事 多久島耕治(以上重任)、稲山輝機(新任)▽評議員 町田英一、苅安達男、川田孝子、野村寛、愛宕洋志、迫修一(以上重任)、加藤美代子(新任)▽退任 監事 久野三千夫、評議員 中井謹次郎 ●今年の音コンは勤労感謝の日に(11月23日)  今年の第58回ヘレン・ケラー記念音楽コンクールは、勤労感謝の日の11月23日(日)、JTアートホールアフィニス(東京都港区虎ノ門)で開催することになった。同ホールの使用は3年連続となる。  ピアノの部は昨年から実施している小学生低学年の課題曲の部のほか、あらたに自由曲の部も今回から小学生、中学生、高校生以上に細分化することにした。また、審査員らの意見を聞きながら特別演奏の人選を進めているが、感動的なコンクールになるよう運営委員会が綿密な作業を始めている。   ●平成19年度事業報告         〔ガイドヘルパー養成研修事業〕4年目を迎え、5、10、11、3の各月の4回(各土日の4日間)実施した。実技重視と優れた講師陣への高い評価が定着し、前年度に続いて自治体から受講生の委託を受けるなど、計93人が視覚障害者ガイドヘルパー(視覚障害者移動支援従業者)の資格を得た。この研修が送り出したヘルパーは、累計12回で 292人に及び、各地で活躍している。3月末に行ったフォローアップ研修には15人が参加した。 〔ヘレン・ケラー学院〕新入生は5年課程5人、3年課程2人で学生総数は38人(前年度は43人)。5年課程3年の1人が病気のため休学、2人が修了をもって自主退学した。20年2月の第16回国家試験では、あマ指師に現役14人(合格率100%)、は師、き師に現役各8人(同89%)が合格した。  〔点字図書館〕民間施設給与等改善費のランクアップによる東京都補助金の増額に加えて個人の高額寄付があり、独り立ちのメドがついた。メイスン財団の助成により転倒の危険にさらされていた書架の更新が実現し、懸案は、ようやく解決した。図書貸し出しはテープからデイジーへの移行が加速度を増し、自館製作の録音図書についてもデイジーにシフトして、これに対応した。年2回開いていた「サポートグッズフェア」を内容を充実させて夏休みの8月23日の1回に集約し、ヘレン・ケラー学院の「無料体験マッサージ」と同時開催した。また出前点字講座を拡大し、新宿区内の小学校のほか都立新宿高校定時制などにも職員を派遣した結果、視覚障害者への理解が深まった。  〔点字出版所〕中期経営改善計画初年度は民需拡大を軸にダイレクトメールや個別企業向け企画提案に取り組み、たばこ販売機の成人認証カード案内点字版製作を新規開拓するなど、曙光が見えた。また「ゆうちょの案内」「後期高齢者医療制度のしくみ」などの案件と取り組んだ。しかし国政選挙情報支援プロジェクトの一員として初の参院選では、収入はプロジェクト加入前の半額程度にとどまり、もはや選挙頼みは通用しないことを改めて裏付けた。   一方、音声録音への需要は右肩上がりに伸び、それに対応できるシフト変更が課題として浮かび上がった。機器整備は清水基金の助成によって待望の墨字印刷機(リソグラフ・プリント機)購入が実現した。実働40年の固型点字印刷機の後継機を導入するため上海に視察チームを派遣し、次のステップに向けて一定の感触を得ることができた。  〔盲人用具センター〕オリジナル商品第2弾「青い鳥点字刺しゅう入り」ハンドタオルが好評を博し、 1,000枚完売となり、追加製作した。独自に開発し、改良を重ねてきた感光器やCD録音再生機の売れ行きも好調。一方で、日本点字図書館用具部などとの連携を強化し、利用者の便宜を図ることができた。  〔海外盲人交流事務局〕3年目を迎えた毎日新聞東京社会事業団の寄託によるネパール視覚障害児奨学金事業をネパール盲人福祉協会(NAWB)と共同で統合教育校7校(対象47人)で実施した。老朽化したバラCBRセンター改修3年計画2年目の工事のほか、ドゥマルワナ校平屋建て寄宿舎に2階を増築する工事を行った。事業管理のため10月24日〜11月6日の間、福山博事務局長をネパールに派遣した。 ●平成20年度事業計画    総合施設としてのメリットを生かし  ヘレン・ケラー学院は、学生数の逓減にどう歯止めをかけるかが、ポイント。再生5年計画をスタートさせた。本年度の37人をボトムとし、2年後に45人にこぎ着けて収支を均衡させ、平成24年の最終年度に49人まで回復させる計画である。東京メトロ副都心線西早稲田駅開業で“交通至便”、さらにヘルスキーパーの登場で企業への就職拡大という追い風、さらに独自の奨学金制度創設によって、委託制制度のある東京、埼玉のほか神奈川、千葉にも学生募集を強化する。国試合格率も抜群の成績をあげた勢いもあるので、PRを積極的に行う。  点字図書館は、録音図書デジタル化のスピードアップを最重点とし、助成団体の助成を得て、機器の整備を進める。  点字出版所は、固型点字印刷機の出番が限られたものとなり、後継機導入のはざまを乗り切るため、民需拡大とより効率的な生産態勢構築を目指し、全力をあげる。総選挙に備えて、ぬかりないよう準備を進める。固型点字印刷機の後継機については、遅くとも平成22年度上半期には導入できるよう助成団体への働きかけを急ぐ。  情報・生活支援事業など、3施設を中核とした総合施設としてのメリットを生かすことのできる新規事業にメドをつけたい。そのため年度内に調査から一歩進めて、試行を行う。 ○法人貸借対照表 平成20年3月31日現在 ※勘定科目、当年度末、前年度末、増減の順(単位:円) 【資産の部】 流動資産 (67,075,233) (57,908,996) (9,166,237)  現金預金 36,164,530 30,751,962 5,412,568  有価証券 0 0 0  未収金 16,431,235 19,611,828 −3,180,593  貯蔵品 13,963,144 0 13,963,144  立替金 0 0 0  前払金 242,844 4,363,580 −4,120,736  短期貸付金 0 0 0  仮払金 0 285,113 −285,113  その他の流動資産 273,480 2,896,513 −2,623,033 固定資産 (681,588,884) (690,819,837) (−9,230,953) 基本財産 (168,404,116) (170,423,924) (−2,019,808)  建物 28,646,640 30,666,448 −2,019,808  土地 99,757,476 99,757,476 0  基本財産特定預金 40,000,000 40,000,000 0 その他の固定資産 (513,184,768) (520,395,913) (−7,211,145)  建物 2 2 0  構築物 242,685 269,483 −26,798  機械及び装置 12,911,132 17,600,328 −4,689,196  車輌運搬具 0 0 0  器具及び備品 10,269,507 8,639,658 1,629,849  土地 0 0 0  建設仮勘定 0 0 0  権利 0 0 0  投資有価証券 0 0 0  長期貸付金 0 0 0  公益事業会計元入金 0 0 0  収益事業会計元入金 0 0 0  措置施設繰越特定預金 1,000,000 1,000,000 0  その他の積立預金 488,285,000 492,410,000 −4,125,000  その他の固定資産 476,442 476,442 0 資産の部合計 748,664,117 748,728,833 −64,716 【負債の部】 流動負債 (26,685,982) (19,511,319) (7,174,663)  短期運営資金借入金 0 0 0  未払金 5,185,522 3,520,524 1,664,998  預り金 902,480 3,831,328 −2,928,848  前受金 12,419,980 9,764,319 2,655,661  仮受金 0 2,395,148 −2,395,148  賞与引当金 8,178,000 0 8,178,000  その他の流動負債 0 0 0 固定負債 (67,741,000) ( 53,840,000) (13,901,000)  設備資金借入金 0 0 0  長期運営資金借入金 0 0 0  退職給与引当金 67,741,000 53,840,000 13,901,000 負債の部合計 94,426,982 73,351,319 21,075,663 【純資産の部】 基本金 (17,849,770) (17,849,770) (0) 国庫補助金等特別積立金 (25,858,479) (26,663,621) (−805,142) その他の積立金 (421,544,000) (439,570,000) (−18,026,000)  人件費積立金 63,474,000 57,000,000 6,474,000  施設整備等積立金 111,300,000 111,300,000 0  その他の積立金 246,770,000 271,270,000 −24,500,000 次期繰越活動収支差額 (188,984,886) (191,294,123) (−2,309,237)  次期繰越活動収支差額 188,984,886 191,294,123 −2,309,237  (うち当期活動収支差額) (−20,335,237 ) (−37,404,670) (17,069,433) 純資産の部合計 654,237,135 675,377,514 −21,140,379 負債・純資産合計 748,664,117 748,728,833 −64,716 脚注 1減価償却費の累計額  当年度末 371,826,692円  前年度末 363,019,039円 ○事業活動収支計算書 (自)平成19年4月1日(至)平成20年1月31日 法人名:社会福祉法人 東京ヘレンケラー協会 ※勘定科目、本年度決算、前年度決算、増減の順 (単位:円) 【事業活動収支の部】 収入 措置費収入 36,871,875 35,390,470 1,481,405 授業料収入 34,533,600 37,523,600 −2,990,000 事業収入 224,123,881 166,870,967 57,252,914 経常経費補助金収入 9,094,500 9,131,900 −37,400 寄附金収入 13,142,384 5,751,729 7,390,655 雑収入 7,782,691 7,871,326 −88,635 引当金戻入 955,000 0 955,000 国庫補助金等特別積立金取崩額 5,700,788 5,122,297 578,491 事業活動収入計(1) 332,204,719 267,662,289 64,542,430 支出 人件費支出 254,210,992 235,585,219 18,625,773 事務費支出 21,737,717 20,541,137 1,196,580 事業費支出 44,845,581 40,717,192 4,128,389 減価償却費 11,039,459 10,570,150 469,309 引当金繰入 23,034,000 0 23,034,000 事業活動支出計(2) 354,867,749 307,413,698 47,454,051 事業活動収支差額(3)=(1)−(2) −22,663,030 −39,751,409 17,088,379 【事業活動外収支の部】 収入 受取利息配当金収入 2,332,884 1,926,099 406,785 会計単位間繰入金収入 4,902,722 961,530 3,941,192 経理区分間繰入金収入 0 1,000,000 −1,000,000 事業活動外収入計(4) 7,235,606 3,887,629 3,347,977 支出 会計単位間繰入金支出 4,902,722 961,530 3,941,192 経理区分間繰入金支出 0 1,000,000 −1,000,000 資産評価損 5,089 0 5,089 事業活動外支出計(5) 4,907,811 1,961,530 2,946,281 事業活動外収支差額(6)=(4)−(5) 2,327,795 1,926,099 401,696 経常収支差額(7)=(3)+(6) −20,335,235 −37,825,310 −17,490,075 【特別収支の部】 収入 施設整備等補助金収入 4,895,648 3,740,000 1,155,648 施設整備等寄附金収入 0 447,300 −447,300 固定資産売却益 0 0 0 国庫補助金等特別積立金取崩額 2 0 2 特別収入計( 8) 4,895,650 4,187,300 708,350 支出 基本金組入額 0 0 0 固定資産売却損・処分損 4 26,660 −26,656 国庫補助金等特別積立金積立額 4,895,648 3,740,000 1,155,648 特別支出計(9) 4,895,652 3,766,660 1,128,992 特別収支差額(10)=( 8)−(9) −2 420,640 −420,642 当期活動収支差額(11)=(7)+(10) −20,335,237 −37,404,670 17,069,433 【繰越活動収支差額の部】 前期繰越活動収支差額(12) 191,294,123 174,880,793 16,413,330 当期末繰越活動収支差額(13)=(11)+(12) 170,958,886 137,476,123 33,482,763 基本金取崩額(14) 0 0 0 基本金組入額(15) 0 0 0 その他の積立金取崩額(16) 38,026,000 53,818,000 −15,792,000 その他の積立金積立額(17) 20,000,000 0 20,000,000 次期繰越活動収支差額(18)=(13)+(14)−(15)+(16)−(17) 188,984,886 191,294,123 −2,309,237 ○資金収支計算書 (自)平成19年4月1日(至)平成20年3月31日 法人名:社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会 ※勘定科目、予算、決算、差異、備考の順(単位:円) 【経常活動による収支】 収入 措置費収入 36,872,000 36,871,875 125 授業料収入 34,534,000 34,533,600 400 事業収入 220,400,000 224,123,881 −3,723,881 経常経費補助金収入 9,094,000 9,094,500 −500 寄附金収入 12,884,000 13,142,384 −258,384 雑収入 7,818,000 7,782,691 35,309 受取利息配当金収入 2,314,000 2,332,884 −18,884 会計単位間繰入金収入 4,868,500 4,902,722 −34,222 経理区分間繰入金収入 0 0 0 経常収入計(1) 328,784,500 332,784,537 −4,000,037 支出 人件費支出 253,869,000 254,210,992 -341,992 事務費支出 22,179,000 21,737,717 441,283 事業費支出 45,315,500 44,845,581 469,919 会計単位間繰入金支出 4,868,500 4,902,722 −34,222 経理区分間繰入金支出 0 0 0 経常支出計(2) 326,232,000 325,697,012 534,988 経常活動資金収支差額 (3)=(1)−(2) 2,552,500 7,087,525 −4,535,025 【施設整備等による収支】 収入 施設整備等補助金収入 4,896,000 4,895,648 352 施設整備等寄附金収入 0 0 0 固定資産売却収入 0 0 0 施設整備等収入計(4) 4,896,000 4,895,648 352 支出 固定資産取得支出 5,794,000 5,933,510 −139,510 施設整備等支出計(5) 5,794,000 5,933,510 −139,510 施設整備等資金収支差額(6)=(4)−(5) −898,000 −1,037,862 139,862 【財務活動による収支】 収入 借入金収入 0 0 0 積立預金取崩収入 19,082,000 38,026,000 −18,944,000 その他の収入 0 0 0 財務収入計(7) 19,082,000 38,026,000 −18,944,000 支出 借入金元金償還金支出 0 0 0 積立預金積立支出 13,901,000 33,901,000 −20,000,000 流動資産評価減等による資金減少額等 0 5,089 −5,089 財務支出計(8) 13,901,000 33,906,089 −20,000,000 財務活動資金収支差額(9)=(7)−(8) 5,181,000 4,119,911 1,056,000 予備費(10) 0 空欄 0 当期資金収支差額合計(11)=(3)+(6)+(9)−(10) 6,835,500 10,169,574 −3,339,163 【前期末支払資金残高(12)】 38,397,677 38,397,677 0 【当期末支払資金残高(11)+(12)】 45,233,177 48,567,251 −3,339,163 ●日韓の障害音楽家 深い感動を残して交流  ビューティフル・フレンズコンサート  日本と韓国の障害者と障害のないアーティストが共に音楽を通して交流するチャリティコンサート「ビューティフル・フレンズ・コンサート」が、4月9日の夜、東京都千代田区の紀尾井ホールで開かれた。今年が「日韓観光交流年」であることから、韓国の国際文化交流団体であるビューティフル・マインド・チャリティ(BMC)が企画し、韓国の大手製鉄会社ポスコが新日鐵の協力を得て開催したものだ。  当協会はBMCの依頼で、ピアニストの辻井伸行さん(1995年当協会主催の全日本盲学生音楽コンクール器楽部門ピアノの部第1位、2005年第15回ショパン国際ピアノコンクール「批評家賞」の受賞者)を紹介したのが縁で、開催者からチケット収益と当日会場で集められた募金から寄付金がいただけることになり、チケットは『点字ジャーナル』の読者プレゼントとなった。  コンサートは、女優のユン・ソナさんを司会に、韓国からは「四本指のピアニスト」として有名なイ・ヒアさん、ヴァイオリニストのユーチンさん、18人の団員のうち10人が視覚障害者のオーケストラ「ハートハート・チェンバー・オーケストラ」らが、日本からは、辻井さん、テノールの樋口達哉さんが出演した。途中の出演者インタビューで辻井さんは、「東京ヘレン・ケラー協会主催の音楽コンクールで1位になり、目は見えなくてもピアノはやれるのだと自信を持つことができました。それが音楽家の道を志す良い契機となりました」と明るく話し、大きな拍手に包まれた。最後には出演者全員による「アメイジング・グレース」が披露され、コンサートは感動の内に幕を閉じた。このあと、BMCから当協会に寄付金105万2,933円が贈られた。 ●清水基金が助成   点字出版所に強力援軍 リソグラフを導入  2月27日、清水基金の19年度助成を受けて、理想化学工業のリソグラフRZ770を点字出版所3階の固型印刷室に設置した。価格は126万8,550円(協会負担36万8,550円)。  リソグラフは、原稿をマスターに写し取って版を作製して印刷する方式なので、同一原稿なら、大量に印刷するほど印刷コストを抑えることができる。原稿が1枚ものの印刷に適しており、複数枚の印刷や両面印刷をする場合は時間がかかるが、紙原稿だけでなく、データで作成した原稿を、リソグラフに接続したパソコンから、ダイレクトに印刷指示する事もできる。この利点を生かして、各地方公共団体発行の点字広報誌の表紙や最近増えつつある、点字に墨字を併記した冊子の印刷を手がけている。  導入開始後は、インクの濃淡や印刷速度など、機械の性質や特徴をつかむのに時間がかかったが、現在は印刷作業にも慣れ、今後は作業の軽減化でさらに早く綺麗に仕上げることができるようなるだろう。 ●点字図書館3年ぶりに音訳講習会を開催   自前講師でみっちり指導  点字図書館は20年度音訳ボランティア養成講習会を5月7日からスタートした。前年、前々年は点訳ボランティアのための養成講習会を開いたため、音訳関係は3年ぶりの開催となった=写真。  2月にホームページを中心に募集をかけたところ、締め切り間際になって応募が集中、簡単な試験と面接の結果11人の受講生が決まった。前回は外部講師を頼んだが、今回は経験豊富な点字図書館職員が講師となり、来年3月まで約1年かけてみっちりと指導した後、点字図書館の専属音訳ボランティアとして活動してもらうことになる。 ●期待ふくらむ新型印刷機   ドイツで候補機を視察 強行軍、でも成果に自信  点字出版所が受注を希望する自治体広報やお知らせの入札仕様が、エンボス印刷に傾斜してきていることや、固型印刷の需要が落ち込んできている現況から、平板点字印刷機導入を視野に、藤森昭製版課長に同行してもらい、ドイツ・マールブルグにあるBlista-Brailletec社を訪れた。格安チケットのため4泊8日の変則的な旅程となったが、ドイツ在住10年のワーグナー児玉弘美さんや、30年になるという木場健三さんという通訳に恵まれて、技術面から支払方法、輸送に至るまで疑問が解け、大きな収穫を得た。  応対してくれたのは一昨年からメールでやり取りしてきたフントハウゼン技術部長とラインハルト営業部長の2人。10人を超す技術者の作業ぶりや、部品開発、製作工程も余すところ無く見せてくれ、Windowsを組み込んで開発したばかりの製版機PUMA Zはもとより、1年後を目標に開発中のロータリー輪転機も披露してくれた。  3日間で延べ14時間を費やして、ほぼ疑問を解消すると同時に、資金は助成に頼るため支払いについて格段の配慮をいただきたい旨を伝え理解を得た。騒音を抑え安定した稼働を図るため、印刷機本体の重量が4dあり、設置建屋の強度調査が必要なことや印刷速度に不満は残るが、生産体制の改善につながるシステムとして、大いに期待できる。       (点字出版所・迫 修一) ●「やさしく読み解く裁判員のための法廷用語ハンドブック」点字版7月1日発行   来年5月21日からスタートする裁判員制度。現在、関係諸機関が冊子配布やマスコットでのPR等さまざまな広報活動を展開しているが、視覚障害者向けの情報提供は不足している。また制度の中身に関しても未だ不確定な要素も多く、選任されることへの不安や法廷用語を理解する難しさなど解消すべき問題が山積している。  そこで当協会は、少しでも多くの視覚障害者が制度開始までの間に、裁判員制度や法廷用語について理解を深めてほしいと、「やさしく読み解く裁判員のための法廷用語ハンドブック」点字版を7月1日に発行することにした=写真。  同書は、「裁判員制度と刑事裁判の大原則」と「やさしく読み解く法廷用語」の2部構成になっており、「法廷用語」では61語を取り上げ、具体的な使用例を挙げている。例えば「起訴」は「検察官が、ある人が罪を犯したと判断して、処罰を求めるために裁判所に訴えを起こすこと」、「起訴状」は「検察官が起訴のために提出する書面」といったように解説している。 編者は日本弁護士連合会裁判員制度実施本部、法廷用語の日常語化に関するプロジェクトチーム。定価は全2巻で7,100円(自己負担額1,200円)。 ●「見えない・見えにくい人のための学習相談会」開く   点字図書館  点字図書館は今年3月18日、協会ホールで「見えない・見えにくい人のための学習相談会」を開いた。今回の相談会は、この春ヘレン・ケラー学院へ入学を予定している新入生を対象に、それぞれの視力に応じた学習環境を整えてもらうことを目的に開催したもの。弱視者への対応強化の一環でもある。  まず「書くこと」「読むこと」そして「理解すること」を基本とする、見え方に応じた資料の種類や効果的な学習の進め方、器具の用い方などを説明し、在校生の間で有効に活用されているデイジー図書を紹介した。これらの説明に新学期を目前に控えた参加者は熱心に耳を傾けていた。 ---------- “視覚障害者と共に” 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会 ホームページもご覧ください。 http://www.thka.jp